暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
第8話 「決戦と真実」
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は少し間を置いた後、知っていることの全てを話し始めた。話し終わったのは、まだ青かった空にも赤みが差し始めている頃だった。

「なのは、聞いてたかい?」
『……うん。全部聞いた』
「僕らはプレシア・テスタロッサの捕縛を最優先事項として動くことになる。君はどうする、高町なのは?」
『私は……私はフェイトちゃんを助けたい。友達になりたいっていう返事もまだ聞いてないしね』
「そうか。……アルフ、それでいいか?」

 クロノの問いかけにアルフは目を閉じて頷いた。そのあとで高町へと話しかける。

『なのはだったね? 頼めた義理じゃないけど、お願い。フェイトを助けて』
『大丈夫。任せて』

 アルフに返事を返した高町は、バニングス達が待つ部屋へと戻って行った。バニングスと月村の間に座り、彼女らと共にゲームをし始める。

「フェイトを救出するための作戦はどうする?」
『一応考えてることはあるんだ』

 高町のその返事に、俺達は詳しい内容の説明を待つのだった。

 ★

 海上からそびえ立つ摩天楼。空には様々な色のもやがかかっている。
 そこにある最も高いビルのひとつ上にはふたつの影が確認できる。ユーノとアルフだ。ふたりは、とあるビルの頂上付近を見ている。
 そのビルの中には、噴水を中心に庭園が広がっている。高町は目を閉じた状態で噴水の上に立っている。

『ここならいいよね? 出てきてフェイトちゃん』

 高町が口を閉じたのとほぼ同時に、彼女の背後にひとつの影が降り立った。噴水の水面には黒衣を身に纏った金髪の少女の姿が映っている。
 アルフがもうやめようとでも訴えたようだが、テスタロッサは首を横に振った。デバイスを通常形態から鎌形態に変化させる。彼女に立ち止まるという選択肢はないようだ。

『フェイトちゃんは立ち止まれないし、私はフェイトちゃんを止めたい』

 高町は宙に静止していたレイジングハートにそっと触れる。桃色の光が拡散し、収束と共に杖状のデバイスが出現。それを彼女は両手でしっかりと握る。

『きっかけはジュエルシード。……だから賭けよう、お互いの持ってる全てのジュエルシードを。それからだよ……全部、それから』

 そう言って高町は、テスタロッサの方へと振り返った。レイジングハートの先端を彼女へと向けている。

『私達の全てはまだ始まってもいない。だから本当の自分を始めるために……始めよう、最初で最後の本気の勝負!』

 力強い瞳で自ら戦おうと言う高町に、テスタロッサの表情は一段と引き締まった。

「戦闘開始かなぁ」
「ああ。戦闘空間の固定は大丈夫か?」
「うん」

 エイミィはクロノに返事を返しながら操作を怠らない。
 高町とテスタロッサが戦闘をしている空間は空まで伸ばし
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