第九十二話 戦線突破
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「敵の攻撃が激しい……艦長!艦隊はまだ立て直らないんですか!」
『こっちも必死でやってるわ!』
アスラン達ミネルバの部隊は必死に崩れた味方部隊の立て直しを行っていた。ネオ・ジェネシスの一発目と二発目の発射のサイクルから逆算するに、まだ時間はあるが、かといって余裕があると言える程残っているわけではない。
「このッ、そんな攻撃で!」
襲い掛かるグフの部隊をアスランはセイバーの翼のビームブレイドや足のビームサーベルで迎撃していく。グフのスペックは確かに高い。スレイヤーウィップは柔軟性に長け、威力自体も申し分ないものであるし、ビームソードも実体剣、ビームソードとして切り替え可能な優秀な兵器だ。
「だが、こんな所でミネルバを落とされるわけにはいかない!」
しかし、そのグフも目の前のエースを相手には荷が重い。スレイヤーウィップを次々と切り裂いていくアスラン。元々セイバーは改良を施されたことで近接武装を大量に装備しているため、同じ近接戦向きの機体であるグフの迎撃にそこまで手こずることはなかった。
『こんのぉ、当たれえ!』
そしてグフよりも汎用性という面で長けているゲルググやザクの部隊もルナマリアやショーンによって撃墜されていく。ブラストシルエットのインパルスから放たれる二門のレールガンと四連装ミサイルによって敵は命中こそしないものの、迂闊に近づくことが出来ない。
そうやって動きを止めた所を狙い、ショーンがビームマシンガンで敵を次々と蜂の巣にしていった。
『あぶねえ、ルナマリア!ちゃんと狙えよ!』
『ちょっとショーン、貴方の方が前に出過ぎてるのよ!』
それでも、たった三機でミネルバとその周囲という広い範囲をカバーしている為、中々に辛いものがある。広い戦場を動き回るともなれば連携も上手く取ることは出来ないだろう。苦戦は続いていた。
「そういつまでも持つわけじゃないぞ……」
尚且つ、彼らは疲労が蓄積している。戦闘が始まってから彼らも何度かはミネルバに戻って、補給に合わせて休憩を取っているがそんな短時間に大きく疲労は解消される筈もない。結果、数の面でも劣っている彼らは少しずつ追い詰められつつあった。
『艦長、もう限界です!後退するにしても、進軍するにしても、ここでこれ以上消耗してしまえば確実に落とされますよ!?』
副官のアーサーが艦長であるタリアに、先程と似たような意見を言う。だが、事実アーサーのいう事は間違ってはいない。これ以上味方を立て直す為にここで敵の目を惹きつけていては何時落とされてもおかしくないのだ。
だが、一方で今ここでそれを止めてしまえば多くの味方を見捨てることになる。分水嶺を見極めることが求められる。
『分かったわ……どのみちこのままここにいるわけにはいかないわね。
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