暁 〜小説投稿サイト〜
海岸沿いのシャーデンフロイデ
今だ見ぬ明日に
グッバイ日常
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「アキラ……?」
小さい頃からの幼馴染、早緑 哲(さみどり あきら)であった。
「なんでここに……?」
「今はそんなことどうだっていい。とりあえず逃げるぞ」
哲は出血で意識朦朧とした健を肩に担ぐと、高度三十メートルにも及ぶであろう大跳躍ですぐにその場から離れた。地面から遠ざかる視界の中で健が見たものは、口惜しそうにそのマネキンの顔をこちらに向けていたスレンダーマンの姿であった。その姿は次の瞬間、虚空へと消えた。
約二分後、哲はオフィスエリアのとあるビルの屋上に降り立った。その頃には落ち着いた健も事の次第が分かり始め、平然と高層ビルを飛び越える高度で跳躍を続ける哲に、戦慄していた。
健の側で息一つ乱さず佇んでいる哲に、健は尋ねた。
「お前……何モンだ?」
先程から疑問に次ぐ疑問が次々と浮かんでくる。謎だらけで全く頭が追いついていない。
「何者だ、問われれば俺は【スータブル】と答えよう」
いよいよもって謎である。
「スータブルって何だよ?」
「【神】に選ばれし戦士達だ」
「神ってなんだよ!」
「この世界を創造したと言われている存在だ」
「もう意味わかんねえよ!」
頭を抱えながら健は絶叫した。こいつは何を言っているんだ? いい歳して中二病か? これは一体なんなんだ? 夢? それとも他の人達を壮大なドッキリか? 様々な考えが健の脳裏に浮かぶ。
「とりあえずは落ち着いて俺の話を聞いてほしい。まあ座れ」
哲はあぐらをかくと、ビルの地面をペチペチと叩いた。健は恐る恐る座り込む。
「まずはお前を襲ったあの怪物から説明させてもらう。あの怪物達は俺たちスータブルの間では【ならず者】と呼ばれている。この世界の住人に悪意を向ける異質な存在だ。ここまではいいか?」
早口で哲はまくし立てる。健は時間がかかりながらもゆっくり飲み込んで頷いた。
「そして世界を護るためにそれらを狩るのが俺たち【スータブル】だ」
以上、と言い残して哲は口を真一文字に結んだ。健は思わず素っ頓狂な声を上げた。
「え?」
「ん?」
「これで終わり?」
「ああ。これから質疑応答タイムだ。お前の知りたいことについてだけ俺は話す。じゃないと疲れるからな」
昔っからこいつはこうだ。ひたすら合理的。無駄なことは一切しない主義なのだ。とりあえず健は頭に浮かんだ疑問を片っ端からぶつけることにした。
「その【ならず者】ってのを倒さなかったらどうなるんだ?」
「簡潔に言うと世界が滅びる。さっきも見たろ、あんなんほっといたら三日間で人類なんて滅びる」
「さっきのスレンダーマンみたいに、そのならず者ってのは都市伝説とかに登場する化け物と同じなのか?」
ほう、と哲が感心したような声を上げ
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