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Re;Generations
暗黒の時代
第2話
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、この少年がギアを手に入れることが出来たのも幸運ではなく、ベータテスターのアーリーアクセス権を使用したからだ。
 
「くーっ!間に合って良かった!」

 時刻は午後4時53分。正式サービスは5時開始なので少しだけ時間はある。少年ははやる気持ちを抑えながら純白の保護シートをペリペリと剥がし、左即頭部部分にあるソケット挿入口にダークエイジのカードを挿入。次にコンセントから電源ケーブルを挿し、壁から光ファイバーの通信ケーブルを後頭部にあるコネクタに装着した。無線技術が進歩したこの世の中でも、無線・有線の間には若干のタイムラグがある為、ニューロンギアは有線での接続方式を推奨しているためだ。全ての準備が整い、メッシュの椅子に腰掛けて情報検索用にパソコンを起動しておく。近代では珍しいデスクトップ型パソコンで、23.5インチのワイドディスプレイに命が吹き込まれる。
 気が付くと2分前。両肩で重量を支える造りになっているニューロンギアを頭に装着し、背もたれを調節して最適な位置へと持ってくる。そして、電源スイッチを入れるとHUD(ヘッドアップディスプレイ)にIDとパスワードの入力を求められた。それを視線移動で素早く入力する。
 すると、「リンク確立中・・・OK・・・ダイブ中・・・」と表示され、ゆっくりと目蓋を閉じると眠りにつくように少年の意識はその世界に生れ落ちていった。

「・・・懐かしいな」

 その男は小高い丘に立っていた。髪は赤毛でオールバック、歳は20前半ぐらいだろうか。彫りの深い顔で体つきもやや細身だが、筋肉質で実際のプレイヤー像とは程遠い姿だった。これもベータテスト参加者特典の先行キャラメイク権であらかじめ作成しておいたキャラクターデータだ。正式サービスからの参加者は今頃キャラクター作成に時間を費やしている頃だろう。神経との整合性が取れている事を確認すると、深緑の空気を肺いっぱいに吸い込んで吐き出し、辺りを見回して大樹の元に佇んでいたクエスト受注NPCの元に駆け寄ろうとした。
 突如、ログインエフェクトである光の粒子の束が目の前に展開され、アレクシスは咄嗟に身体を後方に傾けて全力でブレーキをかけた。

「きゃっ」

 ログインした途端に背中に何かが触る感触に襲われ、その女性は思わず叫び声をあげた。一方のアレクシスは背中から激しく倒れ込んでしまう。

「なんだあれ?」
「だからリスポーンポイント付近では走るなとだな・・・」
「というか、女相手に情けねぇな」

 やじ馬が口々に勝手な事を吐き捨て、興味を失ったのか暫くすると時間が惜しいと思い、それぞれNPCの元に歩み寄って行った。

「え、えーと?大丈夫ですか?」

 何が起きたのかようやく把握したのか、その女性はアレクシスに白く細い手を差し出した。頭髪は目の覚める様
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