暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第36話 ティアの受難?大変ですね
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、少しの物音で飛び起きていたのに……。野生は何処へ行ったのでしょうか?

「ドナルドの報告にあった黒猫か」

「はい。名前はティアです。可愛いでしょう」

 私はティアを抱きしめ、そのもふもふ具合につい悦に浸ってしまいました。

「「「「…………」」」」

 居間に居る全員が、目を見開き固まっています。まあ、理由は塩田で思い知っていますが。

「如何かしましたか?」

 私は年相応っぽく、首を傾げながら聞いておきました。すると突然。

「シルフィア!!」「アズロック!!」

 父上と母上が、抱き合って泣き始めました。

「ようやく……ようやく、ギルバートちゃんが(年相応に)笑ってくれた〜〜〜〜!!」

「良かった!! 良かったなシルフィア!!」

 あれ? これって如何言う状況なのでしょうか? ……ひょっとして私は、とんでもない親不孝者だったのでしょうか?

 あまりの状況に、助けを求める様にディーネとアナスタシアの方を見ます。しかしディーネはチラチラと、アナスタシアは新しいおもちゃを見る子供の目でティアを見ていました。しかも2人は、泣く父上と母上の事等、意識の片隅にもない様子です。

 ……ここは逃げるべきでしょうか? いや、収拾がつかないので逃げるべきですね。

 そう判断した私は、居間からゆっくりと静かに逃げました。下手したら、母上が本能的に追って来そうですし。当然のごとく、ディーネは普通にアナスタシアはフラフラと私について来ます。いくらなんでも部屋までは……と、考えた私は甘かったです。2人は私の部屋の中に堂々とついて来ました。

「あの……着替えたいのですが」

 声をかけたのですが、2人の耳には全く届いていません。

 ……ここは、ティアを生贄にするしかありませんね♪

 私は未だ寝ているティアを、アナスタシアの前に差し出しました。

「抱いて見ますか?」

「いいの!?」

 都合の良い時だけは、私の言葉を認識するのですね。兄として悲しいです。まあ、それは置いといてティアを引き渡します。アナスタシアは、ティアを受け取ると抱き締め……。

「ギニャーーーー!!」

 締めました。そう言えばアナスタシアは、人形に抱きつく時に全力で抱きつく癖がありましたね。人に対しては一度注意したら治りましたが、人形に対しては未だに治りません。おかげ様で、裁縫と人形修理は大分上手くなりました。

 ディーネはその様子に、ただオロオロするばかりです。と言うか、助けないとティアの中身が出ます。

「はい。アナスタシア。ティアを放してあげてくださいね」

 私はそう言いながら、アナスタシアの脇腹をくすぐりました。

「ひゃう」

 アナスタシアは面白い声を上げ
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