暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第36話 ティアの受難?大変ですね
[3/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
削ってみます。……下手糞な所為か、カンナの歯に手が当たり何度か血が出ました。負けるもんか!! こっちには《癒し》が有るんだ!! と言う訳で、気合で正しい削り方を模索しました。

 暫くして、ようやく満足に削れるようになりました。早速削った鰹節を、一摘み口に放り込んでみます。……うん。旨い。成功です。

「……主」

「あれ? ティア居たんですか?」

 どうやら私が夢中になっている間に、ティアが部屋に帰って来ていた様です。

「気が触れたのか? 木が食すなど……」

 その言葉に、私は肩をガックリと落としました。

「いや、これは鰹節と言う物で……」

 私が説明しようとすると、警戒する様に後ろに引かれました。まあ、嫌がる人(猫?)に無理やり食べさせる物じゃないですが……。

「美味しいですよ」

「主よ。吾の口に、その木屑を入れようとしたら敵とみなすぞ」

 ……敵と来ましたか。

「解りました。これはティアには絶対に食べさせません」

 どうせ向こうから「無かった事にしてくれ」と、泣きついて来るでしょう。

 鰹節を見られるとティアと同じ反応をされそうなので、人目の無い内に出し汁を作り鰹節自体は隠しておきます。ダシを取る際の匂いで、ティアは早くも後悔している様でしたが、私は知りません。

 取りあえず海藻を具にして、藻塩で味付けしたお吸い物を作りました。夕食時に出した所、評判は良くも悪くも無くで微妙な反応でした。どうやら味が上品すぎたのが原因の様です。魔法があるとは言え、肉体労働も多い職場なのでもっと濃い味が好まれる様です。……完全に具の選択と味付けをミスしました。

 夕食後に鰹節を削った物を出しました、最初は警戒していましたが私が目の前で食べてみせると、私に続いて皆食べました。こちらの方が、圧倒的に評判が良かったです。……喜んでいいのかな?

 ……ティアは意地になって、最後まで食べませんでした。しかもその後、拗ねられました。私に如何しろと言うのでしょうか?



 もう直ぐ2月(ハガル)も中旬に差し掛かると言う所で、ようやく流下盤《錬金》地獄から解放されました。クリフがめちゃくちゃ喜んで、スキップしていた上に転んでました。その後何事も無かった様に起き上がり、突然喜びの雄叫びを上げられた時は、本気で如何しようかと思いました。一瞬黄色い救急車を呼ぶか、真剣に考えてしまった私は悪くないと思います。……ここハルケギニアなのに。

 ちなみにクリフは、2日位で以前の調子(正気)に戻りました。自分の醜態を必死に口止めして回る姿に、哀愁を感じずにはいられませんでした。……合掌。

 枝条架の設置は完了しているので、実際に海水を流して問題無ければ《固定化》を掛けて設置作業は終了で
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ