第九十一話 顕現する赤
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の量産MSを次々と落としていくが戦況は芳しくなかった。それは当たり前のことだと言える。元々たった二機で戦線を突破するという無茶な状況なのだ。落とされていないだけで十分だと言えるだろう。
『アウル、出過ぎるな!落とされるぞ!』
『んなこといったってよ!?』
とにかく敵の数が多い上に四方に囲まれている状況だ。今は連携して当たっていることで何とか戦えているが、時期に耐え切れなくなってしまうだろう。そして、この状況下で最も厄介なのは彼らの立場だった。
『喰らえ!』
エミリオはロッソイージスのスキュラを敵艦のナスカ級を撃ち落とす。だが、落としたと同時に後ろにいたザフトのMS――――ゲルググC型のキャノンがロッソイージスに向けて放ってきた。その攻撃を回避しつつ、ビームライフルで頭部を撃ち抜く。センサーとしての役割を果たしている頭部が破壊された以上、背部のビームキャノンで正確に狙いをつけることは難しいだろう。
『クッ、どこを向いた所で敵というのがこれほど厄介だとは……』
ファントムペインの所属で無くなったとしても彼らの乗っている機体はファントムペインのものだ。つまり、ザフトにとってはミネルバ側であろうがメサイア側であろうが敵であることに変わりはない。イザークのように柔軟に判断を下せる隊長格であるならともかく、一パイロットとしては彼らは敵であるという認識しかなされない。
階級制度のないザフトパイロットはその場の判断を個人で行う傾向にあるが、だとしても判断というのは多数に流されやすいのが人間というものだ。彼らに攻撃を仕掛けないミネルバ側のザフト兵も当然いるのだが、攻撃を仕掛けるパイロットがいる分、どうしても反撃を受けてしまい、自衛行為として攻撃を仕掛ける者もいる。
『ええい。邪魔すんなよ!!』
アウルがビームサーベルで突っ込んできたザクを切り裂くが、別方向から放たれるビームに動きを阻害されてシールドで防御する。戦線の突破は困難かと思っていたその時、彼らの近くに二機のMSが紛れ込んできた。
「クソッ、脚部スラスターまで悲鳴上げてやがる!?」
『どうした?一矢報いる気なのではなかったのかね?』
「うるせえ!満足に動けない機体一機仕留めれねえテメエがいえた台詞か!」
一機は見るからに限界を迎えている機体であり、武装もビームシールドを時折展開しているのみである。一方でもう一機の機体は明らかに一線を画するほどの巨大な赤いMSだ。
『見るからに指揮官機じゃん。あいつを落とすぜ?』
『待て、アウル!クッ――――』
獲物を見つけたとばかりに敵に突撃するアウル。それをエミリオは迂闊だと止めようとするが、周りの敵のビームによって動きを押さえつけられる。
『貰ったァ!!』
イ
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