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最後の花向け
第三章
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を。間に合わせます」
 そしてだ。その証がだというのだ。
「ホームランです。ホームラン打ちます」
「そういう意味での間に合うやねんな」
「そうです。絶対に間に合います」
 このことをだ。西本に約束したのだ。間も無く彼がいなくなる監督室、仲根が心の中でこの部屋は西本の為だと思っていた藤井寺のこの部屋の中で。
 だが仲根の出番はなかった。やはり彼は控えだった。その間にもペナント、西本がユニフォームを脱ぐ時間は刻一刻と迫っていた。
 仲根は焦っていた。このままでは彼は西本に見せられない、それだけは嫌だった。
 練習をしながらも焦っていた。しかしやはり時だけが進む。そして遂にだった。
 その日が来た。西本の最後の試合、相手は奇しくも、いや神そう配剤したのであろう。彼がかつて率いたもう一つのチーム阪急だった。彼が率いた二つのチームでの試合がだ。彼の最後の試合だった。

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