第三幕 トミーの到着その七
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「パソコンや携帯を使うことは」
「実はね」
先生はお馬さんのその質問にです、困った笑顔で答えました。
「昔からそういうのはね」
「駄目なの?」
「うん、そうなんだ」
「イギリスのお家でもなかったしね」
パソコンも携帯もです、先生は持っていませんでした。
「だからね」
「殆ど使ってないのね」
「そうなんだ」
こうお馬さんに答えます。
「けれどこうしたこともね」
「うん、努力しないとね」
先生はパソコンや携帯については苦手でも、といった感じで言います。
「駄目だしね」
「頑張ろうね、そっちも」
「サイバーも」
皆はその先生を励まして言います。
「是非共ね」
「そうしてね」
「頑張るからね」
先生もそのことは不安ですがそれでも真面目に考えています、そうしてなのでした。
お家と研究室にそれぞれパソコンを入れてそしてです。
携帯も持ちました、その携帯を研究室の自分の席の上に置いていますと。
そこにです、准教授が来てその携帯を見て笑顔で言ってきました。
「おや、携帯を買われたんですか」
「そうなんです、はじめて買いました」
「イギリスでは持っておられなかったんですね」
「そうなんです」
このことを准教授にもお話した先生でした。
「ですからはじめてですけれど」
「メールアドレスは」
「はい、それはですね」
准教授にそのアドレスも教えます、パソコンのものも。
「またご連絡下さい」
「そうさせてもらいますね、何かあれば」
「あと着信音ですけれど」
先生は携帯のそのこともお話しました。
「何にしましょうか」
「先生の好きな曲でいいのでは?」
准教授は先生の前に立って自分の携帯を見ながら笑顔で述べました。
「そうされては」
「僕の好きな曲ですか」
「そうです、どんな曲がお好きですか?」
「騒がしい曲は苦手ですが」
こうしたところは先生らしいです。
「民謡なら」
「イギリス民謡ですね」
「イングランドのものだけでなく」
イギリスといっても一口ではありません、イングランドとスコットランド、ウェールズ、アイルランドの四つの地域があるのです。かつてはそれぞれの国に分かれていました。
「他の地域のものも」
「アイルランド民謡もですね」
「はい、スコットランドやウェールズのものも」
どれも好きだというのです。
「その中でも好きな曲は」
「何でしょうか」
「ホーム=スウィート=ホームですね」
その曲だというのです。
「あの曲が一番好きです」
「ああ、あの曲ですね」
「ご存知ですか、准教授も」
「はい、ジョーン=サザーランドが引退の時に歌った曲でしたね」
「そうです、それではですね」
「はい、その曲を」
是非にと言うのでした。
「
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ