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Re;Generations
プロローグ
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 意識が覚醒していく。・・・いや、そもそも「意識」というのはどういうものであり、それがどういった過程を経て「覚醒」するのか私は正確に理解していなかった。そのくらい、その世界は曖昧で気を緩めれば消えてしまいそうに儚いものだった。
 そんな世界で私は意識を集中させ、万象を具象化させようと試みる。

『おーい、アレクシス。そんな所で何やっているんだ?こっち来いよ』

『アレク、お前はもう少し自分を信じろ。俺はお前の事、信じているんだからな』

『あの・・・名前で呼んでもいいかな?同い年のお友達って初めてなの』

『悪党、か。今はそれでいい。僕を憎め、それがお前の力になる』

『認めません。大切な妹を貴方なんかに渡す訳には・・・』

 様々な感情が入り混じった塊が一気に流れ込んでくる。その衝撃に気を失いそうになるが、私はなんとかその場に踏みとどまり、意識を保つ事ができた。名前も持たない、帰る家もない、家族も居ない。何も無い。「無」の存在である自分に何故そこまでの意志があったのかは分からない。ただ、思うことは寂しかったからそこに何かを求めたが故に、なのだろうか。再び呼吸を整え、その世界の構築を開始する。
 先に生まれてきたのは十代くらいの少女だ。・・・少年だろうか。中性的な容姿で耳が隠れるほどの赤茶色の髪の毛をなびかせ、そこに静かに降り立った。
 だが、それだけで此処は何も変化は無く、ただ「私」という存在と、そこに佇んでいる「彼」の二人が居るだけだ。本人を生み出した私の存在は見えないのか、彼は微動だにせず目蓋を閉じたまま静止している。

(ああ、必要なのは私では無く、別の存在なのだな)

 そう確信し、再び意識を集中させ、先ほど試みたプロセスを開始した。

『まあ、そうカッカしなさんな。フォリさんや』

『・・・なんだか変な流れだが、こいつの事を頼んだ』

『苦しいよ・・・こんなに苦しいなら、人なんて好きになるんじゃなかった・・・ッ』

『生きるんだ。次の世代を作るのは僕等ではなく、お前達なのだから』

 再び押し寄せる意識の波。だが、今度は怯む事無く、それらを受け入れて世界に反映した。他でもない、彼が居たからだ。この少年が居たからこそ私は踏み止まる事ができた。安堵の息を吐く、とはこのような心境を言うのだろうか。私は思考を一旦止め、光の粒子から生成されるであろう「彼女」を見守った。
 肩まで届くブロンドの頭髪、小麦色の肌が美しい。顔の輪郭線は丸みを帯びており、柔らかい印象を受ける。身体もやや細身ではあったが、女性らしいラインを描いている。私は一息つくと、「仕上げ」を施した。

・・・。

 空白の時間が流れていき、最初に動いたのは「彼」だ。目蓋をゆっくりと開くと、鮮血のような赤い瞳があらわになる。周囲
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