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SR004〜ジ・アドバンス〜
20years ago ”Beginning of the world”
#01
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だ。ただ、感情の起伏に対して表情の起伏に乏しいだけ――――そして幸春も同じだという。

「自覚ないかもしれないけど、私たち、一応恋人どうしなわけで……私も、幸春が何考えてるのかわからないと、時々不安になっちゃう。だから、幸春がうれしそうで、私もうれしくなっちゃった」
「そっか……ありがとうな」
「ううん。……それに、私幸春の企みにも何となーく気付いちゃったしね」
「う……!?」

 ばれてる――――!?

 優里が苦笑いを浮かべる。

「どうせ、私にもやれって言いたかったんでしょ?RPG物はパーティー組んだ方が効率良いしね」
「良くご存じで……っていうか、VRゲーム経験ないんじゃなかったのか?」
「携帯端末にゲームソフトの一つや二つくらい入ってるわよ」
「ああ、そう……」

 VRゲームが今日のゲーム業界のシェアの多くを占めてはいるが、VRでない、2D(と言ってもAVRではあるのだが)ゲームの方がよい、という人間は世界に数多く存在している。そのため、携帯端末用のゲームソフトなどはいまだに健在だ。それこそ、《大変遷》以前からのタイトルも存在しているはずだ。たしか《ドラ○ンク○スト》などはそろそろ《]]]]](50)》までたどり着いていたはずだ。

 やたらとゲーム類に詳しいのはそのせいか……と苦笑しながら、幸春は優里に言った。

「優里、『SR004』やろうぜ。VR知識は俺が教えてやるよ」
「いいわよ。けど購入費は幸春のおごりね」
「なん、だと……!?」

 
 この時まだ、世界中のゲーマーたちは知る由もない。『SR004』の名前の意味も。『SR004』の本当の姿も。

 『SR004』を稼働させているシステムの名前も。なにもかも。
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