第二話 「宇宙の彼方にカレーパンを」
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ィィィィッ?!」
しかもT字型。刃の部分が紅色の光を放っている。
「ちょっと待ってくださいよ!ビーム兵器ていったら、色々あるでしょう?!ビームサーベルとか!」
「どういうことですか先輩!通常はコンバットビームナイフが装備されているはずでは――」
春香もこんなトンデモ武器が装備されているとは知らず、彼女に問い詰める。
「えー、だめ?じゃあさっきの操作もう一回やって。第二近接装備に切り替わるから」
「今度はまともなんでしょうね?!」
一抹の不安を抱えながらも、再び同じ操作をした。
「大丈夫大丈夫、次は……」
「次は……?」
再び剣のマークが灯り、武器を切り替える機械音が聞こえる。
そして、モニターに現れたのは――
「ビーム歯ブラシだ」
「ビームの無駄遣いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃッ!!」
現れたのは、巨大な歯ブラシだった。ブラシの部分が無数の針状のビームに変わっている。
「何で?!何でこんな武器しかないの?!っていうかこれ武器なの?!二つとも洗面用具じゃん!」
「せ、先輩!どうしてこんな武装しかないものを配備したんですか!おかしいですよッ!」
春香が先輩を問い詰める。それに対し先輩のほうは、目を横にそらし、気まずそうな顔を浮かべながら言った。
「いやー実はさー、その機体は元々、ある大型宇宙人から払い下げられたものでさー。洗面作業用機体だったんだけど、うっかり装備を変え忘れてたんだよねー」
「「うっかりで済むかぁーーーーーーッ!!」」
今度は春香と一緒に声を上げる。
しかし、文句を言っても状況は変わらない、手持ちの装備で何とかするしかないのだ。
「しょうがない……冬二!この二つの武器で何とかするぞ!」
春香はどうにかして自分を奮い立たせようとしている。しかし、彼女の先輩は笑いながら言った。
「いや、無理でしょ〜。カミソリと歯ブラシで格闘とか……ププ」
「クソッ!この戦いが終わったら絶対あんたをぶん殴りに行くからなッ!」
ぞんざいな彼女の態度に怒りが頂点に達した。その怒気を感じたのか、彼女は少し驚いて、新たな指示を出した。
「まあ待て少年、ビーム兵器はまだある。ほら操縦席の左側に丸い機械があるだろう?それの蓋を開けたまえ」
左を向くと、確かに白い円筒状の機械がある。
今まで出てきた装備は見た目からして役立だった。状況も差し迫っているのだし、今度こそはこの人も真剣に対応してくれるだろう。そう考えてその機械の蓋を開けた。
中に入っていたのは――白いご飯だった。
「――ビーム炊飯器だ」
「だからビームの無駄遣いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃッ!!もはや兵器ですらないし!!」
炊飯器の釜の部分が薄い紅色を放っている。ビーム炊飯
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