第二話 「宇宙の彼方にカレーパンを」
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の女性は、画面に映し出されたことに気付き、声を掛けてきた。
「ん?誰だよ、リアルタイムマニュアルなんて起動させたやつは。こっちは忙しいってのに……」
その女性はぶつぶつと文句を言いながらも、春香が乗っていることに気付くと態度を改めた。
「あれ、どうしたんだ春香。お前免許はまだ持ってなかったはずじゃ……」
「先輩!今はそんなこと言ってる場合じゃありません!カレーパン不正流通の犯人が目の前にいるんです!しかも機動兵器まで持ち出して!」
「この人と知り合いなのか?春香」
「以前言っていた私の先輩だ。地球の文化を色々教えてくれた」
どうやら春香に地球の文化を教えた先輩というのは彼女らしい。
「はぁー?そんなことあるわけ……うわっ!ホントだ!」
メインモニターの映像はあちらと共有されているらしく、彼女は顔を引きつらせた。
「今は時間がありません!犯人が襲ってくる前に操縦方法を教えてください!――この少年、結城冬二に!」
「「お前はしねぇのかよ」」
春香の先輩と言葉が被る。
「しゃーない……おい少年!今からお前の乗ってるビックリドッキリメカの操縦方法――もとい、敵ロボットの撃退方法を教えてやる。いいか?耳かっぽじってよーく聞けよ」
「はっ、はいッ!」
もはや流れからして、自分が操縦するしかない。
展開の速さについて行けず、泣きそうな心持だったが、ここでやらねば自分はおろか、春香も死んでしまう。それを理解すると、覚悟を決めてレバーを握った。
「いいか少年の握ってる操縦レバーには、人差し指から小指までの四つのキーと、親指で押せる一つ……全部で五つのキーがあるはずだ」
「はい、これですね!」
「そいつを私の言うとおりの順番に押すんだ。いいか、右ハンドルの人差し指のキーを二連打。そして人差し指と中指のキーを押しっぱなしにしたまま、親指のキーを押すんだ」
「えーっと……こうか」
彼女の言われたとおりの順番にキーを押す。
すると、ビーッ!という音が鳴りメインモニターの右下に剣のマークが出た。
「押しました!これでどうなるんです?!」
「近接武器が装備される。聞いて驚け、少年も大好きであろう、ビーム兵器だ!」
「ビーム兵器?!いったいどんな……」
生き死にが懸かっている状況だというのに、ビームという言葉につい反応してしまった。
アニメやゲームの世界でしかないと思っていたビーム兵器を見られるということに、笑みを隠せない。
「ふっふっふ、それは……」
「そ、それは……?」
メインモニターについにその姿が現れる。
――そして、デンファルが手にしていたのは、巨大なカミソリだった。
「そう、ビームカミソリだ」
「――ってカミソリィィィィィィィィィィィ
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