第二話 「宇宙の彼方にカレーパンを」
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アランシアはロボットの腕を二人に近づける。その巨大な手のひらの中で二人を圧殺させるようだ。
「は、春香!このロボットはいったい……っていうかこんなやつどうしたらいいんだ……」
「大丈夫だ冬二。『こんなこともあろうかと』……そんなことはこちらも同じ!」
「……え?」
「来い!大型犯罪者捕縛用警察兵器……『デンファル』ッ!」
春香の声に応えるかのように、再び地面が鳴動する。
「こっ、この揺れは!まさかあちらにも?!」
アランシアは驚き、インドラブレッドを後退させる。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
ロボットの出現によってグチャグチャになったグラウンドを、さらにグチャグチャにしながら、新たなロボットが出現した。
「うわわわわわ……は、春香もロボットを持ってたのか」
「ああ。そんなことより、早く乗るぞ!あちらが動揺している今がチャンスだ!」
春香がイヤリングに触れると、アランシアのものと同じように、腹部のコックピットが開く。基本的な構造はほぼ同じのようだ。
興奮しながらコックピットに乗り込み、春香が操縦者シートに座るのを待つ。しかし、春香は一向に座ろうとはしない。
「春香、どうして座ろうとしないんだ!?早くしないとあっちが襲ってきて――」
「……免許持ってない」
「……へ?」
「免許持ってない」
「は?」
「……わ、私……このロボットの運転免許を持ってないんだ!」
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!」
ロボットを呼んで、コックピットに乗り込み、さあ、後は敵と戦うだけだというところで、最悪の事実を伝えられた。
「え?え?じゃ、じゃあ何でこれ呼んだの?!」
「つい……」
「つい……、じゃねーだろッ!何で操縦できないのに呼んだんだよ?!」
春香は申し訳なさそうに俯く。
「そ、それでも俺よりかはずっとましだろ?ほら、早く座って――」
「さ、さっきの尻餅で腰を痛めたようだ……ほら、このシートカチカチだろ?こんなのに座ったら、きっと腰が爆発してしまう……」
「あああああああああああああ!我侭言ってる場合じゃないだろ!他に誰がやるっていうんだ!」
このコックピット内にはもちろん二人しかいない。春香の他にとなると、答えは明白だった。
「冬二!お願いだ、君が運転してくれ!」
「何で俺が……操作方法なんてまったく分からないんだぞ?!」
「大丈夫だ!たしか映像マニュアルがあるはずだから、それにしたがって操作すれば、きっと奴を倒せる!」
そう言って春香は無理矢理シートに座らせると、操縦席右横にあるタッチパネルを操作する。
「あった!これだ!」
春香の操作が終わると同時に、正面のメインモニターに一人の女性が映し出される。
容姿から二十代前半と思われるそ
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