第五章
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阪神だけだ。
「勝てる。何しろこっちには」
「バース様がおられるか」
「バース様に不可能はないわ」
既に彼はこうまで言われていたのだ。
「だから安心せい」
「勝てるんやな」
「わしは信じとる」
阪神ではなくバースをである。この場合は。
「バース様をな。ほな」
「ほな?」
「勝利祈願や。散髪屋行って来る」
「散髪屋か」
「ああ、頭虎刈りにして来るわ」
ファンの中には本当にこうする者までいた。
「それで阪神の日本一を見るんや」
「ほなわしもやろか」
動く人間がいれば乗る人間もいる。今回もそうであった。
「ほなわしは車や」
「縦縞にするんか」
「そうや、あの阪神の縦縞や」
猛虎模様の車まで出る。まさにフィーバーであった。
「それで日本一を祝おうな」
「あの憎き西武に勝って」
「阪神の時代の再来や」
実際のところ黄金時代と言えるものはまあ終戦直後のダイナマイト打線の頃位だと言われているのだが。何故か阪神ファンというものは時空を超えてものを考えるところもあるのである。
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