暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
After days
挿話集
妖精達の凡な日常@
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数ヵ月前、友人からBBQパーティーに誘われた際に仲良くなった同じウンディーネの女性プレイヤー。少数精鋭の凄腕ギルドの後方支援を担当する人で穏やかで優しげな印象を受ける人だった。

何度かゲーム内で会う内に会話も増え、最初の頃のたどたどしい様子は無くなっていった。そして先日彼女を含めた何人かでパーティーを組んで難関クエストをクリアし、別れ際にそう言われたのだった。突然の事に驚いて了承してしまったが、思えば『何時でも』とは本当に『何時でも』なのか。


非常識とは言え、例えば今誘ってみたらどうなるだろうか。



光也は開いていた電話帳のさ行を下にスライドさせていった―――





「大丈夫ですよ。何時でもと言ったのは私ですから」


そう言ってシウネーは優しく微笑むが、セインは頭の片隅で彼女の正体を考えていた。
別に彼女が何者であろうとシウネーに対する態度は変えないが、興味が無いわけではない。送ったメールはものの5分で返ってきて、都合がよろしければ今すぐにでも会えるといった旨の文面にはしばし絶句した。

考えられる正体の候補は幾つか挙げられるが、大半が失礼なものだし、セインの持つシウネー像から駆け離れ過ぎているため、彼自身積極的に認めたくは無い。

それに……

(隠したそうだしな……)

シウネーを始めとする《スリーピング・ナイツ》のメンバー達はそれとなく他のプレイヤーと深い関係にならないよう線引きをしている気配があった。
こうしていてもシウネーから何となく違和感が伝わって来てしまう。セインは、それが少し嫌だった。


「シウネーさん」
「はい?」
「今日は休日でプレイヤーもたくさん居ます」
「本当ですね。アルンは何時も賑やかで楽しいです」
「こうも人が多いとはぐれた時が面倒ですね」


「え?」


シウネーの手を取って優しく握る。指を絡ませる。俗に言う、恋人繋ぎだった。


「あ、あの……?」
「こうすれば、はぐれません。……すいません、気に触りましたか?」
「い、いえ……あの……」

シウネーは恥ずかしそうに俯いた後、確かにこう言った。


「嬉しいです……」
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