After days
挿話集
妖精達の凡な日常@
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LOのサービスが終了するその日にヴィレッタ、及びレックスは避けられない消滅を迎える。
残されるのは半身とその相棒を失った笠井茉莉花だけ―――
「…………っ」
考えても栓無き事をうだうだと考えている自分に嫌気が差し、思考を打ち切る。
そう、考えても仕方の無い事だ。来るものは来る。所詮は16歳の普通の女の子に過ぎない彼女に出来ることなど殆ど無いのだ。
―――その時、脳裏にどうにかしてしまいそうな某インプとか某レプラコーンが浮かんだのは余談だ。
そして、
「ん……?」
視界端のアイコンがメールの受信を知らせる。
無視する理由も無いので、おもむろに開くとそこには…………
「……く、下らないわ」
差し出し人はハンニャで内容はアルセと同様。違うのはあからさまに『来い』とヴィレッタを誘っているところだろうか。
「下らないわ。うん、下らない。……行かないわよ、全く」
「グオ?」
突然ぶつぶつ言い始めた主人を不思議そうに見詰めるレックス。
行かないと言っておきながら主人の定位置である頭の角の間によじ登るのに、甚だ疑問符を増やすレックスだった。
むくりと体を起こし、翼を広げる。まあ何時もの天の邪鬼が発動しただけかと結論付け、レックスは頭の上で無言の少女の本意を汲んで飛翔した。
Side:Sein&Siune
今日も今日とて賑やかなアルンの大通り。様々な店や屋体、娯楽施設が建ち並び売り子のNPCとプレイヤーもしくはプレイヤー同士の売り買いの会話。
通りを往来しながら世間話に興じる男女大小の集団が溢れ、雑多な雰囲気を醸し出していた。
「疲れていませんか?シウネーさん」
「はい。大丈夫です……あの、済みません。わざわざ休みの日に来て頂いて……」
「いえいえ。こちらこそ急に誘ってしまって……」
教授の都合で突然休講となった今日。当日の朝にそれを知ったため特にやることが無くなった三沢光也は真面目な彼にしては珍しくだらけて1日を過ごすことに決めた。
しかし、普段から規則正しく生活している彼がいざだらけようとして出来る訳がない。長い間ぼー、としていたと感じて時計を見てみると、経過時間わずか10分。
このまま無為に1日を過ごそうとしてもどうやら自分には難しいらしい。
だが、どうしろと言うのか。
電話帳を開いて知人を手繰って行ってもピンと来る人物が居ない。
仕方無しにたまにはゲーマーらしくゲーム漬けの1日でも過ごすか、と思った時、心にある人物の顔が浮かんだ。
『い、何時でも、良いので……あの……も、もし良かったら……その……今度、ふ、2人で何処か行きませんか!?』
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