After days
挿話集
妖精達の凡な日常@
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。そして、文章。
『尾行中だ』
「…………」
メッセージタブに移動するとカイト宛にメッセージを作成、アバターのポリゴン霞む程のスピードで文章を打つと送信。
次いでハンニャに短文を送った。
『混ぜて』
Side:Viletta&Rex
「――――♪」
「グルルル……♪」
24層《オラトリオ・オーケストラ:仮本部》付近の湖畔。そこは今、ある種の侵入禁止エリア―――否、侵入したらどうなるか分からない魔境と化していた。
そこには春の陽気の中、使い魔と楽しそうに戯れるケットシーの少女が居た。九種族の中でも平均的に小柄であるケットシーの中でも特に小柄で、頬に朱を差しその愛らしい笑顔を惜しげもなく振り撒いていれば意識せずにはいられない。
例え、相手が一年前まで最凶のPKプレイヤーと恐れられていた少女だとしても。
―――戯れているのが旧ヨツンヘイムに闊歩している動物型邪神に匹敵する巨大龍でなかったら、男共は殺されるのを覚悟で言い寄っていたかもしれない。殺されるのは同じでも、今は本能的な恐怖で近づけずにいるのだ。
「グルルル……」
小さな主人が顎の下の鱗を撫でるのがどうにも堪らないらしく、厳つい顔をクニャと弛緩させ、満足そうに唸る。
「ふふ……」
うつらうつらとしてきたレックスを撫でながら思わずと言った様子で笑みを溢す。自分の何倍も大きく、強く勇敢なレックスだが、主人の前では子犬と何ら変わらない無邪気さで可愛がられている。
だが、
「…………」
ふと、思うことがある。戦闘中、街を歩いているとき、現実世界でも学校で特にやることが無い時など思考が散漫になっている時に不意に沸いてくる思い。
『もし、レックスが居なくなったらどうするか』というもの。戦闘によってレックスが数値的な消滅、つまりHP全損による死亡はまず無い。即死攻撃を受けたとしても現時点で8段HPバーが上から順に消えてくより、自分が全回復魔法を唱え終える方が遥かに速い。
何より、魔法による蘇生が可能だ。機動力も並みではなく、理論値ではアルヴヘイムの隅から反対側まで地上では3時間。障害物の無い空ならば1時間で踏破出来る。
初速から最速を出せるスキルを覚えさせているため、局地の三次元戦闘でも動くだけで敵を吹き飛ばす。
試した事は無いが、邪神相手でも割りと互角に戦うのではないだろうか。問題は数値的なものではなく、物理的なもの。
未だ衰えるばかりか毎日のように新たなタイトルが出来るVRMMO。ALOも数百人の新規ユーザーがサーバー強化毎に増えていっている。
しかし、物事には終わりが訪れる。恐らくは遠くない未来、A
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