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ゲルググSEED DESTINY
第九十話 嘘と心
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体を真っ二つにされていたに違いない。事実、レジェンドの左腕はシールドドラグーン破壊時に攻撃の余波を受けて半壊していた。

『ギルの為にも、俺はこんな所で……!』

小型ドラグーンでビームを連射し、二基の大型ドラグーンのビームスパイクを展開、そのまま突撃させ、自身もビームジャベリンを構える。アロンダイトの高威力を相手に、薄く膜状に展開するビームシールドでは心許ないと判断したからだ。

「何度でも言ってやる!レイ、お前は議長に従うだけの人形か?誰かのクローンで他人だっていうのか!俺は絶対に認めない!お前はレイ・ザ・バレルで、俺達ミネルバクルーの同期で、誰の代わりにも成り得ない……」

光の翼によって現れる幻影と共にデスティニーは接近してくる。レイにとってシンはあくまでも議長のデスティニープラン実現の為に乗り越えるべき障害の一つに過ぎない。だが、彼に誤算があったとすればそれは――――

「俺の戦友だ――――――!!!」

自分の心に嘘をつき続けることが出来なかったという事だった。議長に全幅の信頼を寄せていた。シンを討つことを躊躇うつもりなどなかった。そう思っていたのは表面だけ――――結局、心というものほど曖昧なものもない。平気で嘘をついて、その嘘も脆く、崩れるときはあっさりと崩れる。

(俺の運命も、変わって欲しい、か……シンらしい)

エクステンデットに対しても優しく接することが出来る彼だからこそ言える言葉。そして、レイにとってその言葉は眩しすぎるものだ。それは彼の心が無意識に揺らいでしまうほどに――――
デスティニーの高出力のエネルギーによって発生した熱を強制的に下げるために、MEPEによって剥離した薄い装甲が自然と熱を帯び、実体のある残像としてシステムが誤認する。ミラージュコロイドによって生まれた幻影もそれを助長していた。それによって小型ドラグーンのビームやビームスパイクを展開していた大型ドラグーンの二基の攻撃は外れ、デスティニーは呆気なくレジェンドの懐まで入り込んだ。

『なら、信じよう……お前が運命を変えてくれ……』

その言葉と同時に、アロンダイトの刃がレジェンドのビームジャベリンごと右腕と背面のドラグーン・プラットフォームの右半分を切り裂いた。







「MS隊、機雷共に配置完了。母艦の位置も問題なし――――」

元はダナが乗っていた味方艦であるザンジバル級にMS隊の指揮を執っていたダナ・スニップの死亡と、戦場での配置変更を伝えて彼、クラウ・ハーケンは行動を再開していた。

「議長も人使いが荒いなー、役者には退場してもらわないといけないとはいえ忙しいったらありゃしない」

退場してもらった役者の一人はダナだった。そして、先程指示を送ったザンジバル級も同様に退場してもらう役者
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