閑話ー聖槍と聖剣の英雄ー
67.裁きの審判
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いが動けるような状況ではない。他の皆も同様の状況だ。
動けるのは、俺とキリトとアーチャーの三人のみ。こんな状況で倒せる可能性は万に一つも存在しない。
(.......いや、まだだ......)
この絶望的なボスを倒す手段があるかもしれない。
一撃で物理破壊不可能な土の壁を破壊するこいつをーー
一撃で皆のHPを削り取るこいつをーー
諦めたらそこで終わりだ。
このゲームは死んだって死なないんだ。
......だったら最後の最後まで希望を捨てるな!!
思考を巡らせる。
アミュスフィアが《如月集也》の思考の電気信号を《シュウ》の思考へと流し込む。現実から仮想の肉体へと電気が流れる。
そして導き出される一つの答え。
この化け物を倒すことができるかもしれない可能性ーー
だが、それには俺一人では確実に無理だ。でも、こんなボロボロな状態のみんなに出来るような作戦でもないし、第一俺の予想であって確定ではない。
「アッくん……その顔、なんか思いついてるでしょ?」
アーチャーの言葉を聞いて少し驚く。
「アッくんがなにか思いついた時の顔、すごくわかりやすいもん」
少し、自慢でもするように俺の方を見やるアーチャー。
「で、俺たちはどうすればいいんだ、シュウ?」
片手剣を構え、こちらに顔だけ向けるキリト。
βテストの時から一緒に戦ってきた彼にも俺が何かを思いついたとということは、わかるみたいだ。
「お前ら.....」
二人は俺の前に立ち、片手剣と右手を前に突き出してこちらに顔だけを向けて指示を待っているような格好をとる。
俺も右手に片手剣を左手に槍を構えて戦闘体制にはいる。
「キリト、アーチャー、俺をあの祭壇まで援護してくれ!」
「「了解!!」」
俺とキリトはほぼ同時に地を蹴り、祭壇に向けて駆ける。それと同時に後方から詠唱が響く。
そのすぐ後に俺とキリトの体は緑色の光に包み込まれる。アーチャーによる回復魔法でHPバーが赤から緑へと色を変える。
咆哮が再び、空気の流れを引き裂く。どうやら、ジャッジメントもあの技を使用すれば技後硬直で動けなくなる時間があるらしい。
だが、今はこいつを倒すよりも先にジャッジメントの後方にある祭壇に向けて疾駆する。
硬直が解けたジャッジメントが十字架を模した大剣を地面と平行になぎ払う。その攻撃が見えていたが俺たちは疾駆することをやめない。
決して俺たちは攻撃を受けにいくわけではない。あいつが必ず止めてくれることを信じているから俺たちは駆けることをやめない。
十字架の大剣が当たる寸前に突如として大剣は上空へと弾かれる。その正体は考えるまでもなくアーチャーが作り出した土属性の巨壁である。
大剣
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