七幕 羽根がなくてもいいですか?
1幕
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フェイはクローゼットを開けて制服を出した。
クローゼットの中身は制服と下着だけだ。俗に言う私服を持つ必要を感じなかった。学校以外で外に出ることなど、フェイにはほぼないのだから。
フェイはいそいそと制服に袖を通した。ジュードがずっと背中を向けたままなのはイヤだったから。ジュードとはちゃんと顔を見合わせて話したかったから。
「着替えた」
ジュードはゆっくりとふり返り、制服姿のフェイを見て、溜息をついた。意味が分からずフェイは小首を傾げた。
「ジュード、どうして来たの? 今日はパ……ルドガーと一緒にお出かけじゃなかったの?」
「そうだったんだけど、ルドガーに頼まれてね。フェイがちゃんと食べてるか心配だからって」
「一日くらい食べなくてもヘーキだよ」
「そういうこと言うからルドガーも心配したんだと思うよ……」
フェイはますます首を傾げた。
〈妖精〉であるフェイはその気になれば大気と水から生命子を摂取できる。もっともこれはフェイにとってもレトルト食品が切れた時の最終手段なのだが。ルドガーにもジュードにも自分は教え忘れたらしい。
「お昼は食べた?」
「食べてない」
「分かった。じゃあ作るよ。トマトソースパスタだけど、いい?」
ルドガーがよく食べさせてくれた料理だ。フェイはこくこくと肯いた。
「ご飯、自分で作れたほうがいい?」
「うーん、そうだね。一人暮らしなら、自炊ができると生活費節約になるし、食生活偏らないし」
「ジュードがそう言うなら、わたし、料理できるようになりたい」
「へ?」
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