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真・恋姫†無双~現代若人の歩み、佇み~
第三章:蒼天は黄巾を平らげること その6
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なにより孫家の当主でもあるのよ?今頃、朱儁将軍と一緒に賊の残党と交戦しているでしょう。そんな中、あなたがやからした事がバレたらどうするの?『実は他の男と遊んでいました』って孫堅が言ったら、彼女の部下は激怒するわよ。どう責任を取る心算なの。打ち首どころじゃなくなるわよ」

 仁ノ助は低頭の姿勢を少しだけ元に戻す。錘琳は呆れたようなしかめっ面をしており、事の当事者に対して腹立たしいものを持っているようであった。こんな大事な時期に何をやっているのだと、叫びたい気持ちがあるのだろう。 
 ただ謝り、許しを請うだけならば誰でもできるが、問題を解決するにはそれだけでは消極的過ぎる。仁ノ助は馬鹿な当事者としてその解決策を提案する義務があった。

「流石に今更、彼女と俺との間に何も無かったんですとはいえない。今はバレていないが、そのうちバレるからな。その時はだ、俺が諸々の手を打ってーーー」
「待ちなさい。あなた自分が犠牲になって全部を解決しようとしているんじゃないでしょうね?華琳様が赦す訳ないでしょう!あなたはもう大事な部下の一人よ!はいどうぞと捨てられるような存在じゃーーー」
「分かった分かった、悪かった。言葉が少なかった。今度はちゃんと説明する。
 ・・・この前の軍議の後、華琳が義勇軍を視察しただろう?あの後自陣に戻った時に、俺が華琳にこう言ったんだ。『頼りになるであろう軍は見極めるべきであり、劉備は言うに及ばず、朱儁麾下の孫堅も精強である』と。孫堅との協力を推薦したわけだ」
「へぇ?もう意識して行動していたのね。手の速さに呆れやら感心するやら・・・何とも情けない男ね」
「んでっ、その話なんだがな。残念ながら『今は性急すぎる』という事で、受け入れられはしなかった。しかし考慮するという言質を得る事はできた。それは、『話を通すための足掛かりを構築してもいい』という暗黙の了解だ。まぁ、俺の勘からくる解釈なんだけどさ。
 それで本題だ。俺は今後、武官として働くだけじゃなくて、隠密を養成したり登用したりして、水面下で孫堅と協力していこうと思っている。うまく話がつけられたら華琳との連合の話を持ちかけて、曹操軍代表としてに会いに行こうと思う。そしてその機会に、俺と彼女の問題について手を打つんだ。直接顔を合わせられるのは、多分その時しかない。孫堅の部下に説明できるのも・・・その時くらいだ」

 話を一通り聞いて、錘琳はジト目でありながらも納得したように首肯する。仁ノ助のいう事は要約すると、『政治的な動きによって事の当事者が属する勢力を拘束し、問題に気付きにくくさせる状況を作り上げた後、なぁなぁでそれを闇に埋没させよう』という事であった。はっきりいって下種の手段であるがこれ以上の策が思いつかないのが、仁ノ助の限界であった。
 次に放たれた錘琳の口調は割と落ち着
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