第四章
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もですね」
「師と弟子だ」
この絆も変わらないというのだ。
「そして私はまただ」
「日本に渡られますか」
「そうする」
必ずだ、日本に渡りそうしてだというのだ。
「御仏の教えを伝える」
「ではまたですね」
「渡航の用意だ」
鑑真は確かな声で弟子に告げた。
「よいな」
「わかりました、それでは」
弟子も応える、この後鑑真は失明しながらも遂に日本に渡ったのだった。
彼の寺は奈良の唐招提寺にある、この寺が開かれるまでにこうした話があった。何としても日本に仏の教えを伝える為に海を渡ろうとする鑑真とその彼を気遣い彼の為にその心に反してでも止めようとした弟子もいたことは。このことは忘れてはならないことであろう、唐招提寺のその歴史を感じさせる古い門を前にしつつ思う次第である。
師の為に 完
2013・9・25
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