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偽典 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第8章 そして、伝説へ・・・
第壱話 再会
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傾げる。
周囲から見れば拉致とも呼べるような勧誘をし、常時きえさり草により姿を隠しながら進む
ほど、執念を燃やしていた三人が別れを言い出すことに、勇者は驚いていた。
それとも、勇者が用済みになったのだろうか?

「ようやく、見つかったんだ」
次女とは違い、黒い衣を身にまとった三女が嬉しそうな表情で声をかける。
「これで、妹たちに逢える」
次女は、涙を流していた。
勇者は、三人の目的が達成されたことを理解して、表情を和らげる。

「ありがとう、勇者。
命を賭けてまで、手伝ってくれて」
長女は、大きな袋を勇者に手渡した。
「これまでの冒険で手にしたもの総てだ。
これからの冒険の役に立つだろう。
帰りは、袋の中のキメラの翼を使えばいい。
では、さらばだ」
「!」
三姉妹は、勇者の前から突然姿を消した。
それは、きえさり草のように存在感が残っているわけではない。
本当に、この世から消えたようなのだ。
そして、三姉妹が身につけていた装備品が、先ほどまでいた場所に置かれていた。


勇者はしばらく、その場にたたずんでいたが、三姉妹の装飾品を袋に収納し、袋の中からキメラの翼を手に取り、意を決すると、心のなかで目的地を唱えた。

すると、通常のルーラや、キメラの翼と異なる効果が現れた。
「!」
自分の周囲が光に包まれた。
しかし、それはやわらかくそしてあたたかい光だった。
そして、気がついた時はアーベルのそばにたどり着いた。



「・・・・・・」
俺たちは、話を静かに聞いていた。
「とりあえず、驚異は去ったか」
俺は、勇者の話に満足した。

「本当に、三人は消えたのでしょうか・・・・・・」
セレンは心配そうにつぶやいた。

「大丈夫だとおもいます」
勇者は、袋の中から光る武器を取り出した。
「黄金の爪」
「長女が持っていました。それ以外にも」
今度は、銅矛の刃の形状をした剣を取り出す。
「くさなぎの剣です。三女が持っていました」
最後にと、少女は袋から布地を取り出す。水着か?
「魔法のビキニです。次女が身につけていました」

確かこのビキニは、アレフガルドの海洋モンスターが落とすアイテムだったはずだ。
冒険の途中で入手したのだろうか。
それにしても、なぜ、モンスターがこんなアイテムを持っているのだろうか。

俺が興味深そうに水着を眺めると、
「アーベル!女の子の前でじろじろ水着を見るのはどうかと思うわ」
テルルが指摘する。
ふと、視線を移すと目の前の勇者は顔を赤くして、俺を非難めいた目で見つめている。
いや、勇者は男だろうと突っ込みをいれようとして、セレンやテルルもいたことを思い出して自重する。

誤解を受けている気がするが、確認する方が先だ。

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