暁 〜小説投稿サイト〜
偽典 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第8章 そして、伝説へ・・・
第壱話 再会
[2/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
では良い環境だ。
無理に酒を勧める相手がいないことも幸いだ。

ときどき、セレンが、
「あと、2つ」
とか、指輪を見ながら呟いているが、気にしないことにした。



周囲をみまわすと、老人の声が聞こえる。
「夢は、夢でしかないのか」
「どうしたんだ、じいさん?」
隣に座っていた若者が老人に声をかける。
「この世に朝が来たとき、太陽の石をワシに渡す夢を見たのだが、違ったのか・・・・・・」
何故か俺たちに視線を向ける。

「誰か、太陽の石を渡してくれないかなぁ」
太陽の石とは、本来ゾーマ城のある島に、橋をかける渡るために必要なアイテム「虹のしずく」を作成するために必要なアイテムである。
もっとも、俺たちはドラゴラム(飛行形態)でゾーマ城に侵入したことから、使用していないので渡していない。
必要なら、城内の台所の奥にある階段を登って、その先にある宝箱でも探したら良いのではないかな?



少し離れたテーブルでは、ひとりの兵士がそばにいる街娘に告白していた。
「俺は、この戦いが終わったら、告白するつもりだった。
頼む、結婚してくれ」
兵士の突然の告白に、娘は喜んだが、
「う、嬉しい。でも、・・・・・・」
「でも?」
兵士は、娘に問いかける
「あなたの後ろに、奥さんが・・・・・・」
「あんたー!」
おばさんがあらわれた。
おばさんはいきなり兵士に襲いかかってきた。
兵士はひきずられて、会場を後にした。


その姿を見ていたタンタルは、突然立ち上がった。
周囲は、歓声に包まれる。
「俺も!」
と、気勢をあげる。
かなり酔っぱらっているようだ。

仲間になってから、タンタルは酒を断っていたが、大魔王を倒したのだからと、飲みだした。
「もう、三姉妹も怖くない」
そんな、死亡フラグが立つような言葉も言っている。
残念だったな、タンタル。
おそらく三姉妹は大魔王より強いぞ。
三姉妹からのメラゾーマ三連発なんて、普通の人間なら軽く死ねるだろう。

タンタルは、俺の隣に座るセレンに向きあうと、
「セレン!」
大きな声で、叫び出す。
「俺と・・・・・・」
しかし、誰かがとっさに口をふさいだ。
口をふさいだ相手を、確認すると、先ほどタンタルの話を夢中になって聞いていた娘だった。
鮮やかな手口に、ひょっとして三姉妹が乱入したかと身構えたが、娘の周囲にいる女性の数が10人を越えていたことから、それはないと左右に首をふる。

「お借りしますわね」
別の女性が、セレンに声をかける。
「ええ、どうぞ」
セレンは、優しい表情で返事した。
「助けてくれ!」
女性陣に連れ去られていく、タンタルの声は徐々に遠ざかっていった。

タンタルは大丈夫だろうか?
まあ、大丈夫だろう
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ