第三章
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「そういうことでな」
「本等に悪魔らしくないな、こいつ」
「ステーキとかアイスってな」
「冗談抜きでニューヨークのラッパーじゃないのか?」
「こんな奴いるからな」
「だよな、その辺りに」
「やれやれだぜ、俺って信用ねえんだな」
「信用あるとかないとか以前だよ」
クラウスがまた悪魔に言う。
「人間にしか見えないから」
「だから今から俺が悪魔だって証拠を見せるからさ」
「それで街に行くんだね」
「今からな」
こう話してだ、クラウス達は悪魔と共にニューヨークの街に出た。悪魔は街の中でも相変わらずだった。
何処からどう見てもだ、その動きはというと。
「人間のものだろ」
「ラッパーにしか見えないぜ」
「キャンディも買うしな」
今丁度それを買ったところだった、それを舐めつつだった。
悪魔は街を歩いている、その姿はどう見てもだ。
「ったくよ、魔法陣から出て来たけれどな」
「それでもな」
「普通にニューヨーカーだろ」
「俺達とどう違うんだよ」
「だからそれを今から見せてやるんだよ」
相変わらずだ、イグナギウスだけはこう言う。
「安心しなって」
「安心出来ないから言うんだろ」
「悪魔に見えないからな」
「やれやれだな、まあいいさ」
やはり平然と言う悪魔だった、そして。
その手にあるものを出して来た。それはというと。
「ほらな、チョコレートな」
「ああ、チョコだな」
「どっからどう見てもな」
見事な板チョコだ、ちゃんとメーカーの名前まで書いてある。
「それをいきなり手に出してみせたっていうと魔術か」
「魔術を使えるから悪魔ってんだな」
「そうだよ、何よりの証拠だろ」
「いや、全然」
「手品と一緒だろ」
少年達はまだ言う、そうしたものを見せられてもだ。
「それ位普通に出来るからな」
「手品師だったらな」
「それ位で信じるかよ」
「甘いんだよ」
「やれやれだな、じゃあこれでどうだい?」
チョコレートの紙を破いて口の中に入れてから右手を己の顔の前で左から右に振った、すると。
これまでのアフリカ系、エディ=マーフィーの若い頃の様な顔が変わった。ジェームス=ディーンの顔になった。肌の色全体もだ。
その顔になってだ、陽気な声でこうy言うのだった。
「エデンの東はいいよな」
「ああ、変装上手なんだな」
「やるじゃないか」
「何だよ、今度もそんな感じかよ」
驚かない少年達にだ、また言う悪魔だった。
「擦れてるねえ」
「ニューヨーカーがそんな簡単に驚くかよ」
「そう簡単にそうだって思わないよ」
ある意味かなり世間慣れしているからだ。
「それ位じゃな」
「まだまだだよ」
「そもそも魔法陣から出ても信じないしな」
「ステーキにアイスが好きとか言
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