第二章 [ 神 鳴 ]
三十話 次代へ…
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騒から離れゆっくりしていた。桜の木に背中を預けている僕の両膝には眠り姫が二人、右膝には紫が、左膝には諏訪子がそれぞれ寝息を立てていて、こうして見ると二人とも金髪なので姉妹にも見えるな。なんて事を思ってしまう。
神奈子とルーミアは二人で酒盛りをして盛り上がっていた。ちなみにルーミアは意外と教師に向いていた様で今では立派にルーミア先生である。里の男衆も個人授業をしてほしい!と懇願する位だ。間違いなく下心だけど。
二人から少し離れた所には早希が赤子を抱いてあやしている。春先に生まれたばかりの早希の子供だ。名前は“楓”、春生まれなのにその名前にするのかと聞かれた時に早希が頑として譲らなかったのだ。まぁ僕達も反対する事はなかったけど。
余談だけど諏訪子、神奈子、ルーミアが楓を猫可愛がりしていて甘やかそうとするので違う意味で子育ては難航している。
僕は会場の方に視線を戻した。失ったものは取り戻せないけどこうして新しいものは生まれてくる。永遠なんてものは無い、うつろい儚いからこそ大切なものだと強く思うのだ。だから守りたいと願う。いや守っていこう、僕が此処に居る限り。
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かつて諏訪大社と呼ばれた所は今は名を変えていた。新しい体系になる事に伴い改名を命じられたからである。
しかし改名は大きな混乱を呼ぶ事は無かった。新たな名前は都の住民達にとって慣れ親しんだものだったからだ。鳥居に大きくその名が掲げられ、入り口には色取り取りに装飾された手作り感バリバリの幟が立てられ、その幟にはこう書かれている。
≪ おいでませ!ようこそ七枷神社へ! ≫
第二章 [ 神 鳴 ] 完
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