第二章 [ 神 鳴 ]
三十話 次代へ…
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に入ったしね。
「それで交換条件で、お願いがあるんだけど」
それを聞いた瞬間、ルーミアはしまった、みたいな顔をしたが諦めた様に言葉を搾り出す。
「――――何よ、とりあえず言ってみなさい…」
次に僕が何を言うか警戒しながらルーミアはそう問い掛けてきた。そこまで警戒しなくてもいいのに。
「ルーミアと約束は終わったんだけどこれから何かする事とかある?」
僕とルーミアの契約は戦が終わるまで、実際はもうここにいる理由は無い。
「別に何もないけど……」
「じゃぁさ――――寺小屋の先生をしてみない」
そう言った瞬間ルーミアは「はぁ?」みたいな顔をしたが僕は構わず続けた。
「いやさ今、寺小屋をしてる先生が結構な高齢でね次の人を探してるんだよ。そしたら子供達がルーミアがいい、って言ってるんだ。どうせやる事もないんでしょ?試しにやってごらんよ。あぁちなみに引き受けてくれない時はリボンの修繕はしないから」
お願い半分、脅迫半分で頼む僕をルーミアは冷めた目で睨にながら逡巡している。そして少し考えた末に、
「……はぁいいわよ、引き受けてあげるわ。でも無理だと思ったらすぐ「よし!言質は取ったよ!よかったね皆!」ってはぁ!」
僕がそう言った瞬間ルーミアの背後に隠れていた子供達が一斉に彼女に群がってきた。
「やった!「よろしくねルーミアお姉ちゃん「違うよ!ルーミア先生だよ「ルーミア先生!「すぐに先生の所に紹介しに行こうよ!「賛成!「ほら早く早く!「いっそげー!―――――
「ちょっと!あんた達!待ちなさい!虚空!後で憶えときなさいよ!」
ルーミアは最後にそういい残し子供達に拉致されていった。きっと次に会う時はルーミア先生として生まれ変わった姿だろうな……ないか。僕は遠ざかって行くルーミアと子供達に手を振りながらそんな事を考えていた。
宴の騒ぎは深夜まで収まらず日付が変わっても続いた。空には御柱が飛び回り、地上には石で出来た動物達が音楽に合わせ町の民達を背中に乗せて行進し、図に乗りすぎた早希は紫にスキマで諏訪大社の風呂場に落とされ、僕は戻ってきたルーミアに張り倒され、空が白むまで宴は終わることは無かった。
ちなみに、飲みすぎた諏訪子と神奈子が仲良く二日酔いになっていた。
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■
神々の最後の大戦、人々が『諏訪大戦』と呼ぶあの戦から早二年の月日が流れ季節は春、恒例となった諏訪湖での大花見大会が今年も開かれている。大会といっても只飲んで、歌って、奏でて、楽しむだけだ。この日は人も、友好的な妖怪も、周辺の神達も垣根を越えて無礼講で楽しんでいる。
僕達は会場が見渡せる場所で今は喧
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