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ゲルググSEED DESTINY
第八十九話 ナチュラルを嫌悪する意味
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ドで防いでいたなら容易く叩き切られた事だろう。事実、デスティニーのアンチビームシールドとビームシールドの両方を同時に展開してですら押し込まれているのだ。

『光の翼で!!』

ハイネはデスティニーの光の翼を限界出力で展開する。強大な光圧によって大きな推力を得たデスティニーはRFゲルググを逆に押し切ろうとする。
下がれば断たれる――――だからといって膠着してしまってもそれは同じだ。ならば周りの味方による援護を頼る?無理な話だ。爆発するかのような光の輝きと衝突するほど近い距離にいるデスティニーのせいで、正確にRFゲルググだけに狙いなどつけれるはずもない。
ならば押し通る。自分から押し切ってしまえばこちらの勝利は確定する。ビームシールドは攻撃手段としても使えるのだから。そして、最大を超え限界まで出力が高められたデスティニーの光の翼は、最早物理的な脅威すら持っていた。迂闊にも近づいて援護しようとした味方MSの一機が光の翼によって歪み爆発する。

「『オオオォォォォォッ――――――!!!』」

普段から雄叫びを上げるように叫ぶような性格でもない二人が互いに声を大にして張り合う。声を上げた所で機体の性能は変わらないと言われるかもしれないが、精神的なものというのは重要だ。弱気になれば、少しでも抑え込まれてしまえば、戦場という闘いの場においてあっさりと勝敗が傾くことなどいくらでもある。
紫電の迸るビームサーベルによって装甲を焼かれるデスティニー。攻撃手段として機能している光の翼の一部にいくつものを擦り傷の様な損傷を受けるRFゲルググ。

両者は一歩たりとも譲らない――――あらゆるシステムがアラートによる悲鳴を上げ、一部の機能はダウンし始める。力押しの戦闘ともいえないようなただのぶつかり合い。だが、その力の大きさは桁違いだ。

しかし、その力のぶつかり合いも永遠に続くものではない。腕がたわむ様に軋み、ひび割れ、その生まれた一ヶ所の綻びから水面の波紋のように機体の全身へと広がっていく。その機体はハイネのデスティニーだった。純粋な力の押し合いになった時点でこの結果は予定調和ともいえた。
ハイネがマーレを斃す為に使ったトリッキーなデスティニーの動き――――それがデスティニーの負担になっていたのだ。本来両手で持つべきアロンダイトを片手での動作、MSをワイヤー一本で引っ張った際にかかった負荷、それらは確実にデスティニーの腕に負担をかけていた。上手く隠していたし、実際にマーレに対してその戦術は有効だった。だが、それがこの力の押し合いで露呈したのだ。

『グゥッ………!!??』

ひび割れ崩壊の兆しを見せてしまったデスティニーに最早耐える術などない。関節部を中心に機体が砕かれていく。そのまま一息に、と力を入れたRFゲルググのサーベルに吹き飛ばされた。
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