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ゲルググSEED DESTINY
第八十九話 ナチュラルを嫌悪する意味
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ネオ・ジェネシスによる攻撃――――それはミネルバ側の陣営でも事前に察知できるものだった。元々メサイアからの砲撃は一度目があった以上、二度目を警戒するのは当然であり、敵部隊が不自然な空白地点を作っていた時点で予測可能なものとなっていた。

「今よ!三発目を撃たせるわけにはいかないわ!全軍、攻撃を開始せよ!」

ミネルバの艦長であるタリアが総指揮を執り進軍させる。大型の戦略兵器は威力が高い分、使うタイミングを見誤ればデメリットが大きくなる兵器だ。現在、メサイアは陽電子リフレクターが施されているため艦隊での砲撃では落とせないが、MS部隊による内部からの破壊であれば落とせるはずだと判断する。その為には艦隊ごと距離を詰めるのがベターな案だと考えていた。

「艦長、多数の敵MS隊が急速接近!ナスカ級が何隻も撃沈されています!先行した他の艦隊も敵MS隊に攻撃受けているようです!?」

「何ですって!?」

嵌められた――――そう気が付くのにさして時間はかからなかった。こちらが敵の隙をついたと思わせたタイミングに合わせて逆に強襲を仕掛けてきたのだ。出鼻を挫かれるというのは戦略的に思った以上にダメージが大きいものとなる。攻撃を仕掛けようとして逆に攻撃を受ける側になり、その立て直しに混乱するからだ。
フットボール等のスポーツでも攻撃しようとしたタイミングで相手にボールを奪われてしまうと、調子を崩し、そのままそれが敗北へとつながる切っ掛けへとなることも多い。戦争とスポーツが同じだとは言わないが、どちらにせよ出鼻を挫かれるというのは不味い。

「クッ、止む得ないわね……本艦が先陣を切ります!」

「無茶ですよ、艦長!敵の数が多すぎます!本艦が的になってしまいますよ!?」

アーサーが副官として艦長に意見する。確かに、ミネルバが先陣を切れば状況を打開できるかもしれない。しかし、一方で釘付けにされてしまう可能性も高いのだ。アーサーはそのリスクの高さから止めるべきだと進言し、タリアはリターンの高さから実行するべきだと判断する。

「今ここで我々が防御に回るわけにはいかないわ。アスラン、ショーン、二人とも艦の護衛を頼める?」

『はい、分かりました。俺も艦長の考えに賛同です。味方を失うわけにはいかない』

格納庫で修理と補給を受けていたアスランとショーンの二人にすぐ出て援護するよう命令する。アスランはすぐに返答して、タリアの意見に賛同した。

「それだけじゃないわ。防御に回ってしまえばこちらの数少ない反撃のタイミングを失ってしまう。そうなったらあの砲撃の三射目を止めれない。タンホイザー照準、まずは戦線の航路を切り拓くわよ!」

今動かねば自分たちは大いに不利な状況に立たされることになる。タリアは自分の乗る艦が落とされるという最悪のケース
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