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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
聖者の右腕篇
03.嘆きの剣巫
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が雪菜の身体を襲い、生温かい血が雪菜の全身を紅く染める。
だが、予想していた苦痛が襲ってこない。
代わりに雪菜が感じたのは、全身を包み込むような温もりと、柔らかな重さだった。
「かはっ……!」
雪菜の耳元で、古城が小さく咳き込んだ。その口から大量の鮮血。
アスタルテとの戦闘で重傷を負っていた古城が、雪菜を庇って彼女を突き飛ばし、代わりに戦斧を受けた。
「せ……先輩……!?」
倒れこむ古城を支えて、雪菜が声を震わせる。
古城の身体が異様に軽い。必死に抱きとめようとする雪菜の腕から、ちぎれた胴体が滑り落ちていく。分厚い戦斧の一撃は、古城の背骨と肋骨を砕き、胴体を細かく肉片に変える。
吸血鬼は不老不死。だが、殱教師の一撃によって、その能力の根源である心臓は潰され、魔力の拠り所たる血は虚しく流れ落ちる。
「先輩……どうして……そんな……いや……ああああああああっ……!」
雪菜の手の中から、槍が落ちた。首だけとなった古城を、両手で必死で抱きしめる。しかし古城の返事はない。
オイスタッハは、その光景を無表情に眺めて、戦斧を下ろした。と、思ったが再び、殱教師は斧を構える。
何も考えられない状況の雪菜の肩に手を置き、オイスタッハを睨みつける少年。
「大丈夫だ、姫柊。……その
古城
(
バカ
)
はその程度じゃ死なねぇよ」
雪菜は、古城の血で汚れ、涙を浮かべる顔を肩に手を置く少年に向ける。
その少年は、古城と一緒にいたクラスメイト、緒河彩斗がオイスタッハを怒りに満ちたというよりは、殺意に満ちた視線で睨みつけている。
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