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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
聖者の右腕篇
03.嘆きの剣巫
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眷獣を寄生させることによって、眷獣を宿した
人工生命体
(
ホムンクルス
)
を生み出すことに成功したのです──成功例は、そこにいるアスタルテだけですが」
「黙れっ!」
古城が、言葉を遮り怒鳴る。
「どうして吸血鬼以外に眷獣を使役できる魔族がいないのか、あんたも知らないわけじゃないんだろうが!? わかっててそんなことをやったのか──!?」
「もちろんですとも。眷獣は実体化する際に、凄まじい勢いで宿主の生命を喰らう。それを飼い慣らせるのは、無限の”負”の生命力を持つ吸血鬼だけだと言いたいのでしょう?」
「だったら、その子は──」
「ロドダクテュロスを宿している限り、残りの寿命はそう長くはないでしょう。持ってせいぜい二週間といったところでしょうか。これでも倒した魔族を喰らって、ずいぶん引き延ばしたのですがね……しかし私たちが目的を果たすためには十分です」
オイスタッハの罪悪感もない口調に古城は、言葉をなくす。
代わりに雪菜が口を開く。
「魔族を……喰ったって……まさか、この島で魔族を襲っていたのは……」
「そう。ひとつは、彼らの魔力を眷獣の生き餌にするためでした。そしてもうひとつの理由は、アスタルテに刻印した術式を完成させるために……獅子王機関の剣巫よ、その槍を持つ貴方との戦いは、素晴らしく貴重なサンプルになりました」
「そんなことの……そんなことのためだけに、その子を育てていたんですか、あなたは──!? まるで彼女を道具みたいに!」
怒りをあらわにした雪菜をオイスタッハは愉快に眺める。
「なぜ憤るのですか、剣巫よ? 貴方もまた獅子王機関によって育てられた道具ではありませんか?」
「……それはっ……!」
「不要な赤子を金で買取って、ただひたすらに魔族に対抗すりための技術を仕込む。そして戦場に送り出す。まるで使い捨ての道具のように──それが獅子王機関のやり口なのでしょう? 剣巫よ、その歳で、それほどの攻魔の術を手に入れるために、貴方はなにを犠牲に捧げたのです?」
オイスタッハの言葉に雪菜が凍りつく。
「黙れよ、オッサン……」
古城が雪菜を庇うように呟いた。
「道具として作り出したものを道具として使う私と、神の祝福を受けて生まれた人を道具に貶める貴方たち。いずれが罪深き存在でしょうか?」
「黙れといってんだろうが、腐れ僧侶が──!」
咆哮する古城の全身を、青白い稲妻が包み込む。握りしめた右の拳が、雷光を放っている。それは魔力の塊にして、眷獣の魔力の一部を実体化させたものだ。
「先輩……!?」
戦斧を構えたオイスタッハが、少し顔を歪める。
「ほう。眷獣の魔力が、宿主の怒りに呼応しているのですか……これが第四
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