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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
聖者の右腕篇
03.嘆きの剣巫
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だけど……」
「見てはダメです。こちらを向かないでください!」
「姫柊? いったいなにを......?」
アスタルテは、透き通るような肌の白さ。水槽から出てきたばかりなのか透明な液体が滴り落ちている。
彼女が身につけているのは、手術着のような薄い布きれのみ。その布もぐっしょりと濡れており彼女の肌にぴったりと張り付いている。
「先輩……」
呆然とアスタルテを凝視し続ける古城。
「いや、違う……そうじゃないんだ、姫柊」
「なにが違うんですか、もう……本当にいやらしい」
雪菜が怒ったようにそっぽに向く。
しかし古城は、アスタルテの肌から視線を逸らさずにいた。透けるように白い肌に、虹色の影が揺らぐ。
「……
警告します
(
ウォーニン
)
、ただちにここから退去してください」
「え?」
少し予想外だった彼女の言葉に、古城は驚く。
アスタルテは淡々と繰り返す。
「この島は、間もなく沈みます。その前に逃げてください。なるべく、遠くへ……」
「島が……沈む!? どういう意味だ……!?」
「“この島は、龍脈の交差する南海に浮かぶ儚き仮初めの大地。要を失えば滅びるのみ”……」
「え?」
アスタルテが淡々と話言葉の意味が飲み込めずにいる二人。
そしてその背後に、ゆらり、と大柄の影が現れる。
荘厳な法衣と装甲強化服をまとった巨漢。ロタリンギア殲教師ルードルフ・オイスタッハだ。
「──然様。我らの望みは、要として祀られし不朽の至宝。そして今や、どの宿願を叶える力を得ました。獅子王機関の剣巫よ、貴方のおかげです」
身構える雪菜に、
半月斧
(
バルディッシュ
)
の刃を向けながら告げる。
動揺する雪菜より先に古城が答える。
「力を得た……だと……? それはもしかして、その子の体内に埋めこんだやつのことか?」
「先輩?」
怒りを圧し殺した古城の声に再び動揺する。
雪菜の前に出る怒りを現にした古城。
「気付きましたか。さすがは第四真相と言っておきましょう。しかしもはや貴方といえども私たちの敵ではありません。我らの前に障害はなし」
「っざけんなっ──!」
静寂の研究所に古城の声が空気を震わす。
「オッサン、てめぇ、その子に眷獣を植え付けやがったな──!」
「えっ……!?」
古城の怒声に雪菜は、アスタルテの左右に置かれた、培養槽内に浮かぶ奇妙な生物に目を向ける。
それは、人工の生命体に眷獣を寄生させた姿ではないか───
「いかにもそのとおり」
オイスタッハは当たり前と言うように告げる。
「自らの血の中に、眷属たる獣を従え得るのは吸血鬼のみ。ですが私は、捕獲した孵化前の
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