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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
聖者の右腕篇
03.嘆きの剣巫
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薬の研究所。本社はロタリンギア。主な研究内容は
人工生命体
(
ホムンクルス
)
を利用した新薬実験。二年前に研究所を閉鎖して、今は債権者の差し押さえ物件になってるみたい」
「……それだ、浅葱! どこにある?」
古城が身を乗り出しスマートフォンを覗き込む。
「えーと、アイランド・ノースの第二層B区画。企業の研究所街ね」
「わかった。サンキュ」
古城はそう言うと、浅葱と彩斗に急に背を向けて教室を出ようとする。
「ちょ、ちょっと、古城? どこ行く気?」
「急用ができた。出かけてくる!」
「はあ!? あんた、なに言ってんの。午後の授業はどうするのさ!?」
「上手いこと誤魔化しといてくれ。頼む!」
古城は、そう言い残すと教室を出て行く。そんな古城を廊下で待っていた雪菜に気付いて、浅葱は椅子を蹴散らしながら立ち上がる。
「こ、こら……! なにそれ!? あんた、ホント殺すわよ! 馬鹿──っ!」
廊下に向かって怒鳴り散らす浅葱の声に隠れるように彩斗も呟く。
「……あの馬鹿どもは」
そういうや否や、彩斗も教室から飛び出す。
「悪りぃ、浅葱。急に貧血の症状が出たから早退するって那月ちゃんに言っといてくれ!」
そう言い残し、古城と雪菜を追う。
「あんたもか! 今度、ただじゃおかないからね!」
後方から聞こえる浅葱の怒鳴り声など気にもせずに彩斗は学校の廊下を駆け抜ける。
雪菜と古城は、昨日の男ロタリンギアの殲教師がいると仮定した研究所へと足を踏み入れた。
そこに広がっていたのは、教会の聖堂のような、天井の高い部屋。
ステンドグラスの代わりに壁際に並んでいる円筒形の水槽。
それぞれ直径一メートル、高さ二メートル弱のところ。それらが左右に合計二十ほど配置されている。
水槽の中には、濁った琥珀色の液体。
そこはただの実験室。廃棄された
人工生命体
(
ホムンクルス
)
の調整槽。
「これが……
人工生命体
(
ホムンクルス
)
……だと? こんなものが……か!?」
水槽を見上げ、古城は怒りをあらわにする。
琥珀色の液体の中に漂ってるのは、子犬ほどの奇妙な生物。どの姿は、伝説の魔獣やあるいは美しい妖精のようなもの。
「先輩……?」
激しい怒りの表情に雪菜が驚きの表情を浮かべる。その理由を尋ねようとして、雪菜は何者かの気配に銀色の槍を構える。
小柄な影。藍色の髪の少女。無表情で雪菜見つめるアスタルテと呼ばれていた、
人工生命体
(
ホムンクルス
)
の少女だった。
「あいつは……」
アスタルテの存在に古城も気づく。
「先輩は見てはダメです!」
「え? いや、
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