暁 〜小説投稿サイト〜
魔法科高校の神童生
Episode21:Project of color
[7/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
!)

恐らく女は電流を流して磁場を作ることによって砂鉄を集め、そして移動魔法などを使ってそれを操作している。そこは隼人の使う砂鉄操作と同じ原理だ。この隼人の攻撃をことごとく防いできた盾も、磁場によって集められた砂鉄を硬化魔法によって相対位置をこていすることで形作っている。それを崩すには、どうするか。
簡単なことだ。佐奈よりも強い磁場を作って砂鉄をこちら側に集めてしまえばいい。この際、隼人の雷魔法によって佐奈の硬化魔法の干渉度も落ちている。
一層電力を増した雷を纏う短剣を順手に持ち替えて、盾を斬り上げる。その時、致命的な亀裂が砂鉄の盾に走った。

(もらった…!)

雷を纏った左手が、亀裂の走った盾を引き裂いて佐奈に伸びる。そしてその手が佐奈の体に触れる、刹那ーー

「がッ!?」

右脇腹に凄まじい衝撃を受けて、隼人は大きく吹き飛ばされた。
完全に意識外だったところからの攻撃により、隼人は受け身もとれずに地面を転がった。

「ぐっ…ぅ…」

「私の魔法が砂鉄操作だけだと思ったか?生憎と、圧力操作も扱える」

痛みを訴える脇腹を手で押さえながら、隼人は佐奈を睨みつけた。
これは完全に隼人の油断であった。砂鉄の壁を破ることだけを考えて、他の魔法への警戒を怠っていた。
これだから、俺はまだ弱いーー
苦笑いを浮かべてそう心の中で呟いた隼人は、痛む脇腹を無視して勢い良く立ち上がった。

「圧力操作ね。なるほど、俺を吹っ飛ばしたのは熱膨張した空気ってとこかな?」

「御名答だ。だが、たった一つの攻撃方法が分かったとして、お前の不利は変わらないぞ?」

佐奈の言う通り、今の隼人に厄介な二つの魔法を打ち破る策はない。
だがその事実が、隼人の対抗心に火をつけた。策がないなら、それでいい…今まで通り、力で押すまで。
そう決断してしまえば、隼人の行動は速かった。瞬間的に雷帝を発動させて、再び佐奈へ接近する。
彼我の距離を半分にした所で、砂鉄が津波のごとく押し寄せてくる。それを、空中へ跳ぶことで回避する。投擲したワイヤー付きの短剣が天井に走るパイプに突き刺さり、隼人の体が浮いた。リールを巻いてパイプの上へ着地した隼人は、佐奈に向けてドライアイスの弾丸を打ち出した。だが、ベレッタよりも遅い弾速に砂鉄が追いつかないはずがなく呆気なく弾き飛ばされた。
全てのドライアイス弾を砂鉄が弾き終わったとき、パイプの上に隼人の姿はなかった。
代わりに、背後でなにかが弾ける音が聞こえた。直後、恐ろしい程の殺気を感じて佐奈は慌てて砂鉄を背後に回した。

「なっ!?」

振り向いて状況を確認する前に防御を優先した佐奈が、遅れて見たのは、隼人の蹴りによって弾け飛ぶ砂鉄の壁であった。
魔法が、ただの物理攻撃によって崩された。
だが今
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ