暁 〜小説投稿サイト〜
dark of exorcist 〜穢れた聖職者〜
第6話「戦闘準備」
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ーーー【アメリカ東部・廃村】


アイリスら5人は、つい最近まで人が住んでいた村を訪れた。

「おいおい………とうとう人間の魂にまで手を出したのか?」

周囲を見回しながらパトリックが呟いた。



現地調査を始めてから、既に2週間以上経っている。
その間に、家畜だけでなく人間にまで被害が及んでいた。特に被害が大きい所では、人がまるごと消える
という怪現象が発生していた。生存者はおろか、遺体すら無い。

5人は、その"怪現象"によって人間がいなくなり、ゴーストタウンと化した村に調査に来た。
キリシマとアリシアが掴んだ情報では、この村の近辺で奇妙な唸り声を聞いた、という声が後を絶たない。









「奇妙な唸り声、というのは悪魔の声ですかね?」

クリスが辺りを見回しながら聞いた。
その問いかけに、パトリックが即座に答えた。

「あぁ……人のでも獣でもない唸り声ってことは、間違いなく悪魔だ」

「えぇそうね。それも人間の魂を喰らえるってことは、上位の悪魔の可能性が大きいのよね?」

明らかに嫌そうな表情を浮かべてアリシアがパトリックに言う。

「…………………可能性、というか確定だろう……………」

キリシマが静かに答えた。同時に全員の表情が暗くなった。
しかし、アイリスだけは違った。

「大丈夫だよ。今までだって生きて帰ってこれたんだから、きっと今日だって大丈夫だよ」

アイリスのこの言葉に、パトリックはすかさず反論を返した。

「あのな、アイリス。今回の敵は上位の悪魔だぞ?今までの下位のザコとは全然違う。俺達が相手にする
のは間違いなく文字通りの"化け物"だ。…………それでも、挑もうってのか?」



パトリックの言うことはもっともだった。
彼等は今まで上位の悪魔に挑んだことは無い。というより、そもそも上位の悪魔に挑んだ悪魔狩りは、
ほとんどが殺された。生き残りなど、世界中にたった数人くらいしかいない。

悪魔狩り達にとって、上位の悪魔はまさに"死"そのものなのだ。




「でも、ここで引き下がったら私達は大切な命を捨てちゃうことになる」

パトリックの反論に対するアイリスの返事は、もう決まっていた。


「私は皆の"命"のために戦う。パトリック君だって、大切な誰かのために戦ってる。でしょ?」

パトリックは返す言葉もなかった。
上位の悪魔を倒す。揺らいだ決心が元通りになった。

「………分かったよ。もう倒すって決めてたしなぁ……」

「相変わらずヘタレね、パトリック。アイリスちゃんの"大丈夫"は絶対なのよ」

「アリシアの言葉はどうでもいいけど……確かにアイリスに言われると妙な安心感があるな……」

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