第八十八話 黒衣の奴婢
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ソッ、待ちやがれ!!』
ダミーバルーンとクリスタル化による反射、そしてネロブリッツ自身の武装を同時に放つ事によって、まんまと動きを止められてしまう。そしてミラージュコロイドが展開されて距離を取られてしまえば最早見つける手段は無いに等しい。だが、そうは問屋が卸さない。イザークはダミーバルーンに阻まれつつもクリスタル化によって反射する瞬間を見定めた。
腕部ミサイルランチャーがネロブリッツに向かって放たれる。
「なッ!?やりやがって!」
衝撃で吹き飛ばされたネロブリッツ。それを追撃するイザークとネオ。しかし、次の瞬間、おもわず追撃を止めてしまうほどに衝撃的な出来事が起こった。
一筋の光――――ネオ・ジェネシスが発射されたのだ。主戦場からは離れていた彼らはネオ・ジェネシスに巻き込まれはしなかったものの、愕然としてしまう。ダナはその隙をついて今度こそ逃げに徹することにした。あの隙を狙えば落とせたかもしれないが、落とせるのは一機のみだろう。
であればリスクを考慮して今は離れるべきだと判断したのだ。
「今度こそ逃げさせてもらうぜ」
ミラージュコロイドを展開し、熱による感知を避けるためにアームと慣性を利用して逃げる。そうして距離を取る事に成功したダナはデブリの一つである沈没したナスカ級の艦に取りついてミラージュコロイドを解除すると共に息をついた。
「ったくよ、しつこい奴等だったな。危うく落とされるところだったぜ……このままもう一回攻めるっていうのもありだが、状況から考えてこのままじゃメサイア側の圧勝で終わっちまうんじゃねえだろうな?」
ネオ・ジェネシスが発射された事からそう推測するダナ。このままでは戦争の継続が成されずにあっさりと勝ってしまうのではないか。そうなったら自分が楽しめない。これは一度自軍側も引っ掻き回すべきかなどとそう考える。先程から円盤型の何かが飛散しているがデブリの一つだろうと推測する。
「なら、早速母艦に戻ってメサイアに行くようにすべきか?」
『それはいけない。だって、君は此処で落とされるんだから』
突然、入った通信。そして、その瞬間巻き起こる爆発。爆発の粉塵から咄嗟に逃げるようにして現れたのは、やはりというべきかダナのネロブリッツであった。一見して損傷はそこまで酷くはない。実際に爆発したのは沈没していたナスカ級と近くに舞っていた円盤型の何かであり、ダナ自身はやられていない。
至近での爆発が起こったとはいえ、VPS装甲であった事とその場からすぐさま離れたことで、そこまで酷い被害は受けなかったのだ。
「オイオイオイオイィ……冗談じゃねえぞ!?」
しかし、焦りと驚愕は止まない。心臓の鼓動がやたらと耳に響く。冷や汗を拭おうとするがヘルメットに阻まれてしまった。ヘルメットをかぶっていた
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