到来〜
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らないことがある・・・」
「サキ!まさか・・・」
アニスの言葉に返事をする余裕はなかった。
「あの時・・・あの時俺がいなくなったのは・・・」
俺は話す。ヴァンが俺を斬ったこと。アリエッタを利用していたこと。アニスは両親を人質にとられていたこと。そして・・・アリエッタが慕っていた被験者イオンは二年前に亡くなっていることを。
「そん、な・・・」
アリエッタの瞳から光が消え、その場に座り込んでしまう。
「イオン様は・・・もう・・・死んでた・・・じゃあ、アニスと一緒にいたイオン様は・・・」
「・・・レプリカだ。導師イオンの・・・な」
「嘘・・・嘘だ・・・」
「アリエッタ・・・」
「そんなの・・・イオン様が死んでたなんて・・・嘘・・・」
「嘘じゃない・・・真実、なんだ」
「じゃあ、わたしが導師守護役を解任されたのも・・・」
「記憶の矛盾・・・いや、それ以前にレプリカとバレない為の保険・・・」
「あ、ああ・・・」
「・・・」
「いやぁぁぁぁ・・・!!」
アリエッタが泣き叫ぶ。
「じゃあ、じゃあ・・・わたしは、わたしは・・・!ずっとみんなに騙されて・・・サキがいなくなったのも、イオン様がいなくなったのも全部・・・!」
「アリエッタ・・・」
アリエッタは俺の手を振り払う。
「もうやだ!誰も・・・誰も信じられない!!」
・・・こうなることは予想できた。ここからは言葉のミスは許されない。
「アリエッタ!」
「・・・っ!」
「どうして・・・どうしてお前が導師守護役を解任させられるだけだったか・・・分かるか?」
「え・・・?」
「ヴァンなら・・・アイツなら、目的の障害になりそうな者は排除するだろう。だけど、そうしなかったのは、被験者イオンが頼んだからじゃないか?」
「イオン、様が・・・」
「導師守護役解任を言い渡したのも導師なら、きっとアリエッタの助命を言い渡したのも導師の筈だ」
「どうして・・・」
「少なくとも・・・被験者イオンは、アリエッタに“生きて”欲しかったんじゃないか?」
「生きて・・・」
「もし導師なら、きっと自分が死ぬ定めを知っていたんだろう。だからこそ・・・自分が生きられなかった世界をアリエッタに生きて欲しかったんじゃないか?」
「・・・イオン様・・・」
「・・・それに、レプリカのイオンからも伝言がある。“騙していて、すみませんでした”・・・って。アイツも・・・最後の時もアリエッタのことを気にかけていた・・・」
「・・・う・・・」
「・・・だから・・・」
「でも・・・でも!ルーク達はママを殺した!それだけは・・・それだけは変わらない
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