囲碁部は俺の宝物です。
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んかとんないし!」
「何で女子だけなんですか!」
「てかイケメンって本当ですか!?」
「だからそのイケメンがどーとか言うのが失礼な態度なんだって! いくら香坂先生がかっこよくてもキャーキャー言うんじゃないぞ!」
「キャー! かっこいいって!」
「やだ、あんたシーナちゃん一筋って言ってたじゃん!」
「何言ってんの、イケメンは別腹っしょ!」
両手で頭を抱えた。 駄目だこいつら何とかしないと……。
「椎名先生。 香坂先生はもういらっしゃってるんですか?」
一人の男子生徒に話しかけられ顔を上げる。
唯一の三年生で部長の安藤太一が真剣な表情でこちらを見ていた。
短髪でストイックな雰囲気のイケメンだが、生真面目すぎるくらい真面目で俺のことをとても慕ってくれている。
元々は趣味で囲碁を打っていた子だが、最近はプロになることも視野に入れて練習をしている。
去年の関東大会では後一歩で入賞を逃したが、今年は間違いなく全国で入賞を狙えるだろう。
香坂美鶴が来ると聞いて一番喜んでいたのが安藤だ。
そうだ、こうやって真面目に教えを受けようとしている子もいるんだ。
もし失礼なことをやらかした子がいたら俺が責任を持って誠心誠意謝罪しよう。 美鶴先生は良い人っぽいし、きっと許してくれるはずだ!
あまり待たせたらそれこそ失礼になる。
もう、腹を括るしかない……!
「ああ、今廊下で待ってもらってる。 それじゃあ今から中に入って貰うけど、大きい声でキャーとか叫ぶのだけは絶対に無しだからな!」
「「はぁーい」」
ま、これだけ釘を刺せば大丈夫だろう。
ドアを開け、待っていた美鶴先生に「お待たせしました」と声をかけ中に入るよう促す。
美鶴先生が部室内に入った途端、女子が小さく「キャー」と黄色い悲鳴を上げ、同時に小声で「ちょ、やばい、超イケメンだよぉ」などの私語が交わされた。 こ、これくらいなら許容範囲……! と、思ったら男子が一人ピュゥ♪っと口笛を吹きやがった。 それアウトーー!
「皆さん、こんにちは。 香坂美鶴だ」
「「こんにちはー!」」
しかし、美鶴先生は全く気にしていないように優雅な笑みを浮かべている。
前から指導のボランティアしてるということだし、こういうことにも慣れているのかもしれないな。
「短い時間だが、今日は縁あって君達の指導をさせて貰うことになった。 今日教えることが君達のこれからの碁に良い影響を与えることが出来れば嬉しい。 分からないことがあったら気軽に何でも聞いてくれ」
「「よろしくお願いしまーす!」」
「では、まずは君達の棋力が見たい。 早速だが多面打ちをするから碁盤の用意をしてくれ」
ガタガタと碁盤の用意をしながらもう
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