十六 内通者
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室である。そこでうちはサスケに変化したミズキが眠る振りをし、再不斬が作った水分身三体が木ノ葉の暗部を装う。
後は畑カカシに化けた再不斬が病室に飛び込めば、慎重なカブトは形勢不利だと察して逃亡するだろう。
以上のようにカブトの心理までもを利用した筋書きの脚本家はこの場にはいない。全ては中忍第二試験中、死の森で別れたナルトが仕組んだ事である。
再不斬・白に巻物収集を頼んだ後、彼はすぐさまミズキが収容されている木ノ葉厳重警戒施設に向かった。そしてミズキの姿に変化した影分身に死んだよう見せ掛け、ミズキ本人を施設から脱走させたのだ。
彼が君麻呂達に伝えた「他にやること」とは、ミズキを脱獄させる事を指していたのである。
カブトによるサスケ襲撃をナルトはこの時既に読んでいた。そこで寸前の手筈をミズキに伝え、影分身のみを残し、本人は死の森に戻ったのである。その際、偶然にも大蛇丸とアンコが対峙している場所に居合わせたのだ。
巻物収集を終え、宿に向かった再不斬と白は、そこで脱獄したばかりのミズキと出会う。実際ナルトの影分身が彼の傍についていなければ、今頃ミズキの首と胴体は分かれていただろう。
カブトがサスケを襲撃した事がバレれば、木ノ葉の警備は厳しくなる。抜け忍である再不斬や白、ナルトにとってはいい迷惑だ。尤も顔が売れているのは再不斬だけなので他二人はそこまで困る事態ではない。しかしながら警戒が厳重になれば色々動きにくくなるのは確かである。
そこでカカシと闘った事のある再不斬と木ノ葉に詳しいミズキが今のような一芝居を打つ。
結果、木ノ葉の警戒は厳重にならず、自身の顔がカカシに見られたと思っているカブトは暫くは身を顰めるだろう。尤もナルトがサスケ暗殺を阻止したのは、他にも理由があるのだが。
「あんたがカカシさんに変化したのは、闘った事でもあったからか?一度拳を交えた相手の顔はよく憶えてるってヤツかい」
「…ふん。テメエだってアカデミー教師だったから、生徒だったうちはサスケに化けたんだろーが」
「元、だよ。今じゃ脱獄囚だ」
走る速度を落とし、生い茂った木の枝上に降り立ったミズキは人の良さそうな笑みを浮かべた。だがそれを再不斬はどこか食えない笑みだと思う。
好人物のようなその顔の裏に秘めている自身と同じ野心の匂い。それを同じ野心家である再不斬は敏感にも嗅ぎ取ったのだ。
「―――そうだ。これ、ナルトくんに渡しといてもらえるかい?」
「あ?何だ、コレ……」
ふいにミズキから手渡されたモノを、再不斬は摘み上げるようにして受け取った。
それは一枚の紙切れ。
ただの紙にしか見えないそれを訝しげに睨んでいると、「ナルトくんなら解るよ」とミズキがにこやかに笑う。
「というわけで、俺も木ノ葉のお尋ね者なんでね。こ
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