第十三話「兆候 ~sign~」
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アルヨ。倒せそうにないぐらい強固に立ててるネ」
『それでは、試合開始です!!』
「先手必勝。伸びろ、如意神鉄」
真耶のアナウンスが入り、先制を切ったのは、鈴であった。
銅色に光る両端に青龍刀のような反った刃がついた『双天牙月』の柄が伸び、一瞬で千夏に刃を突き立てんと迫る。
「クソッ!!」
千夏は咄嗟に、『雪片弐型』で弾くが、そのまま横殴りに振るわれ、アリーナの壁に叩き付けられる。
「この程度かアルヨォ!!」
鈴の両肩付近の空中に二つの球体が現れると、斬り掛かって来た千夏の体が何かにぶつかったかのように跳ね飛ぶ。
すると、直ぐ様球体を量子化させて伸ばしたままの『双天牙月』を振り回して千夏が近付けないように翻弄させる。
ーーー同時刻。アリーナ管制室。
「何だ、あの武器は!?伸縮自在なんて卑怯ではないか!?」
本来なら、部外者は立ち入り禁止なのになぜかいる箒が、一方的に千夏を圧倒している鈴を非難するかのように叫ぶ。
それに対し、IS委員会などからの研究したいからデータを採れ、等の圧力や問題を起こさないように監視の意味合いも含めて管制室にいた一夏とセシリアはため息を吐く。
「ルール違反してないし、勝負に卑怯も何もないと思うんだけどな」
「正々堂々と挑んだところで、あの程度なら武装がパインでも粉砕デストロイされるのがオチですわ」
「何だと!?」
「落ち着いてください。暴れちゃダメですよ〜」
二人に掴み掛かろうとする箒を、真耶が宥める。
「ところで、凰のあの武器の技術は何だ?登録されてないぞ」
言外にデータを寄越せ、と迫る千冬。
「あれは特別な技術など使ってませんよ。材料が持っている特徴です」
「どういう意味だ?」
エレンの答えに、千冬はムッとした感じに眉をひそめる。
それもそのはず。誰も伸縮自在の金属など、見たことも聞いたこともないからだ。
「あれは、二、三ヶ月程前に中国の奥地で発見された新種の金属、如意神鉄を加工したものです。一般の製鉄法を使えば、誰でも作れますよ。尤も、その如意神鉄を見つけれたらの話ですが」
「はー。すごい金属があったんですね!如意神鉄という名前は、もしや西遊記からですか?」
「ええ。孫悟空が使っていた如意棒と似た性質を持ち、神が造った鉄のようだということから、如意神鉄という名前になったそうです」
実物を見てもなお信じがたい話だが、真耶はすっかり信じ切ってしまい、それに気を良くしたのかエレンは自慢げに語る。
「それに鈴さんの衝撃砲の使い方も上手ですね!空間を圧縮して砲撃するから、素人目には射撃が見えませんが、砲台の位置や目線などで大体は読まれてしまいますから、撃つ瞬間だけ実体化させると
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