第二幕 子供達もその六
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「蹄も床もいためないから」
「だといいけれど」
「安心して出入りしていいよ」
研究室の中にもというのです。
「だから皆でいようね」
「わかったよ、それじゃあね」
お馬さんは先生の言葉に笑顔で頷きました、こうして皆は研究室の中でも先生と一緒にいることになりました。
先生は講義の時はお昼御飯の時意外は研究室の中に皆と一緒にいます、そして王子も毎日研究室に来ます、他の教授や学生さん達もです。
その中で、です。王子は先生に笑顔で言いました。
「後はトミーだけだね」
「うん、トミーはまだイギリスだね」
「留学の手続きは順調だから」
「そうなんだ、それじゃあ」
「もう暫くしたらね」
王子は先生と一緒に研究室の中で紅茶を飲みながら言います。
「彼も来てくれてね」
「イギリスにいた時とそのまま」
「楽しくやっていけるよ」
「それは何よりだね」
「うん、それとだけれど」
ここで王子は話題を変えてきました。
「先生も落ち着いたら」
「トミーも来てだね」
「日本の生活に慣れてきたらね」
そうなってくればというのです。
「その場合はどうするのかな」
「それからのことだね」
「そう、暇になるっていうか余裕が出来てくるから」
生活やそうしたことにです。
「その場合はどうするのかな」
「つまりあれだね、イギリスにいた時みたいに」
「呼ばれて他の国に行ったりサーカスとかをするのかな」
王子は先生のお顔を悪戯っぽい微笑みで見ながら尋ねます。
「そうするのかな」
「それはわからないね」
先生は王子の問いに首を少し傾げさせたうえで答えました。
「まだね」
「そうなんだ」
「何もそうした声がかからないか困らないとね」
そうしたことがないとだというのです。
「僕も何もしないよ」
「受け身なんだね」
「イギリスにいた時は患者さんもいなかったしね」
つまり経済的に困ることもあったのです、先生は皆から好かれてお友達は沢山いますがお金はない人なのです。
「そうしたことも出来たけれど」
「今は教授だからね」
「まとまったお金は入るけれど」
「時間はね」
「そこまではないんじゃないかな」
こう王子にお話するのでした。
「月とかに行くまではね」
「月に行ったのは大冒険だったね」
「まさかあそこまで行くとは思わなかったよ」
先生にとっても信じられないお話でした、あの時のことは。
「けれどそれでもね」
「月に行ったことは」
「僕にとっても印象深かったし」
それにだというのです。
「忘れられない思い出だよ」
「そうだよね、けれど冒険は」
「お声がかかったりして時間があればね」
そうした条件が揃ってこそだというのです。
「行かせてもらうよ」
「何処にでもだね」
「
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ