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第三十四話 黒い雨
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試合の勝者 vs シャルル・デュノア&更識楯無
決勝戦 第二試合の勝者 vs 第三試合の勝者
ペア数の関係上、第一試合の分だけは逆シードのような扱いで一試合多くなっている。
紫苑が懸念していたことがいきなり実現する。一夏・ラウラペアとの試合である。この組み合わせを見た紫苑は半ばうんざりしたような気分に陥りかけたものの、面倒事を最初に終えることができると前向きに考えることにした。
「簪さん、初戦に勝てば楯無さんと戦えますよ」
「はい、それに……織斑君も初戦です、ふふ……潰す」
「か、簪さん……?」
もう一つの因縁を思い出した紫苑は、この組み合わせはやっぱりやめてほしかった、と心底思うのだった。
「準備はいいですか、簪さん」
試合の準備が整い、入場を指示される。
専用機を使用しての初の公式戦ということで、紫苑は緊張しているであろう簪に声をかけた。
「はい、大丈夫です」
だが、紫苑の予想に反して簪は落ち着いていた。
というのも、専用機の開発から携わってきた紫苑はペアが決まってからも問題なく簪との調整に専念することができた。そういう意味ではこの組み合わせは二人にとって幸運だったのだろう。
ほかのペアがお互いの武装や戦い方の確認をしているなかで、紫苑に関しては簪の武装や戦法、専用機の細かいスペックまで把握しているのだ。さすがに簪側はそうではないが、紫苑がカバーできるというだけでそれは大きなアドバンテージとなる。それが大きな安心感となり、今までの簪の中に燻っていた劣等感のようなものは薄まり、初の公式戦でも落ち着いていられた。
「では、いきましょう。あなたの専用機の初お披露目です」
「はい!」
心強い返事と共に、簪がその身にISを身に纏う。
更識簪専用機『打鉄弐式』。
もとは倉持技研が開発を行っていたものだが、急遽一夏の専用機である『白式』の開発・メンテナンスを優先することになり開発が滞っていた。それを簪が引き取り、紫苑が途中で加わり開発にこぎ着けた。
その名が示す通り、学園の訓練機に採用されている量産機『打鉄』の発展型であり、同じく量産機『ラファール・リヴァイヴ』の汎用性を取り入れることで全距離対応に組み上がっている。
また、ベースである打鉄は防御型なのだが打鉄弐式は機動重視型となっており、その機体速度はセシリアの専用機である『ブルー・ティアーズ』に匹敵する。
その機動性故か、無骨な打鉄とは似て非なるスマートな機体となった。
同じく純白のISを紫苑も身に纏い、二人は戦いの場へと飛び出した。
二人が会場に出ると既にそこには一夏とラウラが展開している。
四人が出そろった中で唯一の黒い機体、それがラウラの専用機『シュヴァルツェア・レーゲ
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