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第三十四話 黒い雨
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専用機タッグトーナメントは三年生の試合以上に注目を浴びていることから最終日での実施となり、まずは専用機を持たない生徒によるトーナメントが行われた。
こちらも、総稼働時間の上位と下位でグループが分けられてからの抽選で決められており、組み合わせによって大きな不利ができないように配慮されている。とはいえ、やはり順当に専用機を持たない各国の代表候補生が上位に連なる結果となるのは予想できた。また、ペア決定後の一週間は授業が半日となり午後の時間を試合に向けての調整やペア同士のコミュニケーションに使用することが許された。
やはり大方の予想通り、どの学年も上位は代表候補生を擁するペアで埋まったが、特筆するべきはなんと箒が準優勝したことだろうか。彼女は運良く3組の代表候補生とペアになり、決勝までは順調に勝ち進むことができた。決勝でも善戦したが、同じく代表候補生を擁するペアが相手であり、もう一方の一般生徒と箒との地力の差が最後まで響き、敗れた。
なお、本人の知らぬところで勝手に優勝特典になり騒動を巻き起こした『織斑一夏と付き合える権利』は、優勝ペアのうち一人がシャルル派、もう一人が紫音派だったために有耶無耶になっていた。そういう派閥ができていることは本人達のあずかり知らぬことではあるのだが……。
この結果は、箒のこれまでの総稼働時間を考えれば上等の結果である。一対一の戦いではこうはいかなかっただろうが、接近戦に限って言えば彼女の動きは素人レベルではなかった。うまくパートナーが彼女の接近の機会を作ることでISでの戦いから自分の土俵に持ち込むことができたのだ。
ただ、決勝だけは代表候補生同士の実力が拮抗していたこともありサポートに回れず、結果今までの箒の戦い方を見てきた対戦相手に遠距離からの攻撃で封殺されてしまい、敗北へと至った。
とはいえ、この準優勝という本来満足するに値する結果も、当人にとっては優勝特典を逃しただけなので納得できていないようだ。現に一夏が彼女を賞賛するまで浮かない顔だった。もっとも、優勝したからといってその特典が有効かというとそんな訳がないので、彼女にとってはこの準優勝という結果が最良だったのかもしれない。
そして、専用機タッグトーナメントの当日となる。
ここに至るまであるペアを除いて順調にコミュニケーションが取れており、ほとんどのペアが複雑なものでなければある程度の連携も取れるようになっていた。あるペアとは言うまでもなく一夏・ラウラペアである。
当日になり抽選が行われ、試合の組み合わせも以下のように決まる。
第一試合 織斑一夏&ラウラ・ボーデヴィッヒ vs 更識簪&西園寺紫音
第二試合 凰鈴音&ダリル・ケイシー vs セシリア・オルコット&フォルテ・サファイア
第三試合 第一
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