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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos11再臨・遥かなる夜天を支える翼〜Advent: Sch?ner Ritter〜
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されて浴室へ。

「じゃあ髪と背中を洗うね、はやて」

「お願いや」

髪をフェンリルさんに洗ってもらってると、ふと「そう言えばフェンリルさんと2人きりになるのって初めてやなぁ」そんなことを思うたから、目の前に在る鏡に映るフェンリルさんに向かってそう漏らした。

「そう言えばそうだ。いつもマスターが必ず一緒に居たもんね。それが当たり前なんだけど。・・・でもそれがどうしたの?」

「こんな時やからフェンリルさんに訊きたい事を訊いておこうかな、って」

「訊きたいこと? うん、いいよ。っと、その前に、シャンプー流すから目を閉じてね〜。・・・んで、今度はトリートメント〜♪ コンディショナ〜♪ ついでにマッサージ〜? 女の子だから髪の手入れはしっかりと〜? お客さん、痒いところはありませんか〜?」

「ないで〜す♪」

フェンリルさんって髪を洗うのがホンマに上手。気持ち良すぎて眠くなりそうなのを耐えて、「フェンリルさんって、ルシル君の使い魔になって長いん?」って本題を切り出す。

「うん、長いよ。マスターが赤ん坊だった頃、私は彼と出会った。その頃の私は、誰も主として認めず、従おうともせず、ただ己が思うままに生きていた。かつては主と敬い慕った人も居た。でもその人が死んでからは・・・」

鏡越しに初めて見る、フェンリルさんの浮かべた寂しそうな表情に、わたしは悲しくなった。

「今でも鮮明に思い出せる。マスターとその両親が私に会いに来た時のこと。その頃の私は狼の姿ばかりで居てね。自分の精神をコントロール出来る大人でも普通にビビるし、泣く子も気を失うって感じで畏怖と敬意の化身だった。
それでもそんな私を使い魔にしようとする人はたくさん居た。マスター達もそう。でも当時の私は誰かに付き従うつもりも無くて、いつものように牙を剥いて追い返してやろうとした。彼の両親はやっぱり腰を抜かして一瞬で諦めた。赤ん坊だったマスターも、他の子供の様に泣き喚くかと思えば・・・・」

「フェンリルさん・・・?」

フェンリルさんの表情が寂しげなものから嬉しそうなものに変わった。目をうるうるさせて、頬をお風呂の温かさとは別でさらに赤くさせた。

「マスター・・・、ルシリオンは私を見て笑ったの。どれだけ咆えても、牙や爪を見せつけても怯えることなく。それどころか突き付けた爪に触れてきたの、笑顔を容易くことなく、ね。かつてのマスターもそうだったのね。その所為かな。毒気が一気に抜かれちゃってね。でもだからってすぐに主認定はしなかった」

「なんでなん?」

「なんか悔しいじゃない。数千年と生きた畏怖と敬意の化身たるフェンリルちゃんが赤ん坊に恐れられず、触れられただけでコロッと参っちゃう、なんて」

「あはは。なんやそれ。意地っ張りやなぁ、昔
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