黒蝕の陰、天廻の陽
新たな地への旅立ち
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「んっくぁ〜よく寝たぁ〜・・・!」
朝を告げる小鳥のさえずりと共にアルフレッドは目を覚ました。
何一つ不自由のない、快適な朝である。
「ん…んぅ…。」
「…」
隣に裸で寝ていたアルマを完全に見なかったことにし、アルフレッドはいつもの白衣を着て外へ出た。
「今日もいい朝だぁ〜…。」
エイン村は相変わらずとにぎわっていた。
一年前、調合材料を買い漁り強走の粉塵を完成させることができたあの商店も変わらず。
毎日金槌の音や武器屋が村行く人に声をかける加工場も相変わらず。
何もかもが変わっていない。そんなことを思ったとき
「いたっ、…何だこれ」
突如アルフレッドの頭に何かが落ちてきた。
「…何かのモンスターの鱗…?やけに白いけど。」
拾い上げると、それは白い鱗であった。
その様は透き通る様に白く、祖龍ミラルーツのそれや幻獣キリンのものと何ら遜色なかった。
「祖龍なんかがこの辺を通るわけもないし、ましてキリンなんか見てないしなぁ…ん?」
考えている矢先、目の前で妙なことが起こっていた。
「あれ?おい、どうしたポポ。おーい!」
「すいません、何かあったんですか?」
アルフレッドは物を運んでいる途中にその場に倒れこんでしまったポポと、その飼い主の男の元に歩み寄った。
「ああ、アルフレッドか。さっきまで元気にウチの作物を運んでいたポポが突然動かなくなっちまった!一体どうしたって言うんだ?」
「今の季節、ポポが起こす低体温症はありえないし…!?」
アルフレッドはポポが口から出す黒色の煙を見逃さなかった。
「離れて!」
「―!?」
男が言われたとおり走って加工場の辺りまで逃げると直後倒れこんでいたポポが暴れだした。
「ポポ!?どうしたんだポポ!」
「様子がおかしい…。正気を失っているが暴れているし…。仕方ない!」
アルフレッドは家の方を向き
「アルマさん!片手剣を!」
「分かったわ!」
家の中のアルマに武器を取らせた。
以前黒色の煙を吐くポポは目の前のアルフレッドを認識すると襲い掛かってきた。
「危ないッ!」
慌ててポポの足元を潜り抜け攻撃をやり過ごすアルフレッド。
「ほら、これでいいかしら!」
アルマは家のボックスの中からバーンエッジを取り、アルフレッドに投げた。
「ありがとうございます!」
アルフレッドがその剣と盾を受け取ると
「今外に出ている人はすぐ家の中に避難してください!
近くに居た人は布か何かで口を覆いながら家に戻って家族から隔離して過ごして下さい!」
村の人々は血相を変えて家に逃げ込んだ。
「恐らくこれが最近学会で確認されていた
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