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魔法少女リリカルなのは 〜黒影の死神〜
『第二十話』〜邪に憑かれし者 プレシア・テスタロッサ〜
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、でも保っているのがやっとよ)」

「(お前に問う。お前は、フェイトを)」

「(彼女はアリシアの、私の一人の子供のクローン。でも勘違いしないで! あの子がクローンだろうと関係ない! 私の、私の大切な娘よ!)」

「(そうか)」


 彼女はそう断言した。心からフェイトを愛している事がわかる。
 少し……羨ましいな。


「(。今の俺はお前を犯している者の浸食スピードを遅めるのがやっとだ。だが必ず助ける。お前も、フェイトも、そしてお前のもう一人の子も)」

「(でも、あの子は!?)」

「(大丈夫。だから、少しの間、アイツに、フェイトに幸せを与えてやってくれ)」


「ソウル」

[おう]


 俺は黒夜を突きの形で構える。
 黒夜の刃に小型のナイフが魔力で作られる。


「『退魔の刃 その刃は心を表す水鏡 その力を持って 彼の者の心を表せ』!」


 詠唱を終えナイフはプレシアめがけ放たれる。
 そしてその刃は見事に胸の中心に刺さり霧散した。
 彼女は力が抜け、倒れそうになるがその寸前で駆け寄り体を支える。


 すると、


「はぁ、はぁ」

「プレシア・テスタロッサだな?」

「え、えぇ」

「さっき俺が言ったこと誓え。意志を強く持て。でないと、あれに飲み込まれてしまう」

「えぇ、分かったわ。それよりこれはどの程度持つの?」

「長くて2・3日だ。その間にフェイトに言いたいことがあるなら言ってやることだ」

「分かったわ」

「では」


 そういって俺はマントをなびかせ時の庭園を去った。










 時の庭園から帰宅し現在俺はソウルと話し合っていた。


「それで、次はどうするか……」

[今回のは厄介だしな。人に浸食するタイプだ。今のお前ではとうていプレシアを助けて尚且つ【邪者】を倒すのは無理に近い。むしろ両方犠牲にするな]

「本当にどうすればいいのかね……」

[憑いている相手用の技はあるが、人間相手は試した事ないからな……うまくいくか確証がない]

「それでうまくいけば嬉しいんだがな」

[考えても仕方ない。とりあえず書物庫にでも行くっ!?……拓斗]

「なんだ? 書物庫に行くのは賛成だが?」

[いや、それじゃない。魂だ]

「魂が? どこらへんだ?」

[庭あたりだ]

「庭? どこの」

「どこって、ここだ」





 …………





「……もう一回言ってくれ。何処の庭だ?」

「何度でも言ってやるよ。此処、この家の庭だ」

「『解除』……マジだな。ソウル」

[おう]

「トリガー・オン」


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