第八十七話 信念
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ま反撃しようとドラグーンを次々と起動させる。
一つ一つの稼働時間など関係ないとばかりに総てのドラグーンを一度に起動させ、シンのデスティニーを撃ち落とそうとした。
『俺のような存在をもう生み出さないために、人が身の程を弁えることのない飽くなき欲望を消し去るために――――俺は、俺達は戦ってきた!なのに何故、今更になって邪魔をする!お前たち自身がこの世界を望んだはずだろう!つかみ取ろうとしたのだろう!!』
『何で……何でそこまで執着するんだよ!レイ、今の議長に疑念は無いのかよ!人を人として見ない世界、遺伝子で管理された社会、未来も過去もない世界――――議長の創るっていう世界は今しか見つめないそういう世界だ!そうやって決められた運命で、本当に人は救われるのかよ!』
光の翼を利用し、一気に加速したデスティニーはドラグーンによるビームの弾雨を躱しきる。その最中に、サーベルとして展開していたビームブーメランを投げ、両手が自由になったことでアロンダイトを引き抜いた。
『救われるさ――――いや、救われなくてはならない!でなければ、クローンである俺達が生きている意味すらもなくなる!』
『く、クローンだって……!?』
言われた内容に愕然としてしまい、思わず動きを止めるシン。レイはそれに合わせて止まることなどせず、そのまま押し切ろうとして一斉にビームを放つ。ギリギリの所で我に返ったシンはビームシールドを展開することで攻撃を受け止めた。
『そうだ、キラ・ヤマトという夢のたった一人を創るために俺たちは造られ、束縛された時間の中でいつ訪れるかもわからぬ寿命に縛られる――――俺は『俺』を造った奴の夢など知らない。そして、俺達はお前たちのように人並みの幸せを望むことも、人並みの暮らしを味わうこともない。俺たちの総ては所詮偽りの作り物でしかない。テロメアが生まれつき少ない中で生まれた俺達に、そんな運命を、本物の人生を得ることはない!』
あまりの気魄に気圧されるシン。レイのその叫びは最早悲痛とすら言っても良いほどである。レジェンドはビームジャベリンを構えて一気に突撃してくる。気圧されてはいてもシンもエースパイロットだ。すぐさまアロンダイトを正面に構えてビームジャベリンに合わせて振りかぶる。
対ビームコーティングが成されているアロンダイトはビームジャベリンを相手に鍔迫り合いを発生させた。紫電が迸り、火花が散り、舞い散る粒子が互いの機体を輝かせるかのように魅せる。
『だから議長を、ギルの進む道を俺は信じる!誰も、もうこんな悲劇を生み出さないために!シン、お前はいったい何のために戦ってきた!争いのない世界を創る為だろう!そんな中で、ギルを……俺を裏切ると言うのか!!』
俺を一人にしないでくれ――――
ギルの言葉を共に信じていると言ってく
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