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第三十一話 白銀の魔女
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うのは僕が入ったことがないからだ。女子用しかないのだから当然だ。それが男子にも開放されて、僕もそのあと入ってもいいというのはちょっと嬉しい。なにせ今まで部屋のシャワーで済ませていたから。
いくら千冬さんに許可されても大浴場を使うのは気が引けるけど、男子が使った後というのなら気にしなくてもいいのかもしれない。
そこまで考えて、僕は千冬さんの言葉に違和感を感じた。
「それは嬉しいけど、男子?」
そう、男子と言った。言わずもがな、この学園には男子と言ったら僕を除けば織斑君一人しかいない。
僕の問いかけに千冬さんは少し表情を変えた。もしかしたら聞いちゃいけなかったかな?
「……まぁ、お前に無関係ではないからな。これも当日まで他言無用だがボーデヴィッヒと同時期にもう一人転入してくる者がいる」
「もしかして……?」
そこまで聞けば答えを言われなくてもわかる。
そこで転入してくるのは……。
「あぁ、『二人目の男性操縦者』と言われている者だ。学園への編入と同時に公表されるそうだ」
そこは予想通り、でもここで再び千冬さんの言葉に違和感を覚える。
「言われている?」
二人目、というのは僕のことが知られていないから当然だ。でも、その言い方だと千冬さん自体はその事実……男性操縦者であることを認めていないように聞こえる。
「名前はシャルル・デュノア。名前でわかるようにラファール・リヴァイヴを作り出したフランスのデュノア社の縁者だ。だが、デュノア社の社長に息子がいるとは聞いていない……考えられるのは隠し子という可能性だが、お前が考えるにそんな存在が都合よく動かせるのか?」
動かせるのか、というのはISのことだろう。
千冬さんとは僕が、というより織斑君を含めて男性操縦者がISを動かせる原理について話したことは無い。でも以前に織斑君のことでカマかけたときの反応を見るにある程度は知っている可能性がある。
とはいえ、このことについて僕から詳しく話すつもりはない。千冬さんもあまり触れてほしくはないようだし、束さんが彼女に話していないのならそれなりの理由があるのだろうと思う。
で、千冬さんの質問への答えだけどもちろん……。
「可能性は低い、かな。理由は……まぁ言わなくても千冬さんは察してるかもしれないけど男性操縦者が生まれるために必要と思われる条件に適合するのは難しいと思う」
ISが認識する部分で同じ遺伝子情報を持つ操縦者がいること……つまり僕のように一卵性の双子の片割れが操縦者であり、専用機持ちであることが条件になる。その上で、その専用機しか操縦できない。もともとの操縦者がいるのならわざわざ男性側が操縦を試みる機会なんてない。そもそも、一卵性で性別の異なる双子が生まれる可
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