期末後の朗報。
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ちの囲碁部に?」
「以前から小中学校の囲碁部でボランティアをしていたらしいですよ。 うちは新しい囲碁部ですが、大会でそこそこ良いところまで行った生徒がいましたからねぇ。 それで気になったとか。 仕事の関係で来週の木曜日以外は来られないそうですが、では、承諾ということで良いですね?」
「もちろん! 子ども達も喜びますよ!」
教頭先生はウンウンと頷き、「それじゃあ連絡しときますからね。 よろしくお願いしますよ」と言って去っていった。
香坂美鶴は史上最強と謳われる香坂砕臥の息子で、確か俺と同い年だ。
先ほどは教頭先生に対して偉そうに語ってしまったが、実は香坂美鶴のことを俺は良く知らない。
囲碁のことに関してだけは少々負けず嫌いなところのある俺は、同い年であるにも関わらず棋界でトップ争いをする彼のことを何となく避けていたのだ。
両親共に棋士のサラブレッドで、生まれた時から囲碁を打つ環境が整っていただろう彼。
俺が憧れる香坂砕臥先生の教えだって存分に受けられただろう。
不満があるわけでは無いが、周りに囲碁を知る人が誰もいなくて独学で学ぶしか無かった俺と大違いだ。
しかも囲碁新聞の『週刊碁』に載っていた写真を見たことがあったが、……イケメンだった。
女の子にもモテるだろうな……ちくしょう……羨ましくないぞ……。
しかし、彼が小中学生相手にそんなボランティア活動をしていたとは知らなかった。
今まで勝手な理由で避けていたとは言え、タイトルをとる程の棋士なのだから素晴らしい腕前なのは間違いない。
直接プロ棋士の碁を見るのは初めてだし、今からわくわくしてきた。
子ども達も、棋界のことに詳しい子もいるし喜ぶだろう。 女子部員はイケメンってだけで喜びそうだな。
子ども達の喜ぶ顔を思い浮かべると頬が緩む。
今日はもう金曜日で部活は無いから、知らせるのは来週の火曜日になるか。
来週が楽しみだ。
● ○ ●
Mituru:Si-Naが対局を申し込んでくるなんて珍しいな。
対局申し込みしたのは数年ぶりだ。
勿論勝利して、対局後のチャットタイムである。
Si-Na:ふふん♪ 今日はちょっとMituruと打ちたい気分だったんだ。
Mituru:ほぉ? 俺としては嬉しいが、何か良いことでもあったのか?
Si-Na:実はうちの囲碁部にプロ棋士が指導にきてくれることになったんだ! プロに直接会うのは初めてだし、子ども達も喜ぶだろうし、今から楽しみだよ♪
Mituru:それは良かったな。 プロ棋士って誰がくるんだ?
Si-Na:黙秘します。
Mituru:む、何故だ?
Si-Na:いや、だってMituruも一応プロなんだろ? 誰が来るか話したら身元が割
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